2010年9月12日日曜日

「数学と物理学」そしてバッハ「パルティータ」

究会、先ほど終わりました。今朝は10時から。昨夜はまたよく眠れなかったので、眠い目をこすりながら出て参りました。本日は研究発表の司会もしなくてはならなかったので、居眠りをする訳にもゆかず、苦労致しました。無事に済んでほっとしているところです。昨日はブログを更新する時間がありませんでしたので、更新しておくことに致します。
 昨夜の懇親会は昨年と同じホテル内の和風レストランでした。5000円で飲み放題なので大したお料理は出ませんでした。私が進行係を勤めましたので、落ち着いて戴くことも出来ませんでしたし、写真を撮る余裕もございませんでした。
 懇親会までに少し時間がございましたので、CD ショップに立ち寄り、小山実稚恵さんの「ショパン・ピアノ協奏曲第1番・第2番」を購入致しました。

流石に小山さん。とてもいい演奏です。ジャケットも綺麗ですね。

 一昨日、定期購読している「現代思想」9月号が届きました。

特集は「現代数学の思考法 ー 数学はいかにして世界を変えるか」です。昨夜、寝る前に少し記事を読みました。特に、討議「自然からの出題にいかに答えるか ー 数学的思考と物理学的思考」は興味深く読みました。内容をご紹介することは控えますが、読んで考えたことを少しだけ書いておくことにします。
 例えば、ニュートン力学は数学の微積分で記述することが出来ます。ある時点における運動体の速度と言うのは物理学では極一般的に扱われる問題ですが、よく考えると矛盾しているように思えます。「ある時点」とは、謂わば、動いているものの写真を撮るようなもので、その一瞬を捉えれば、ものは静止しているように見えます。(先日お話しして「ゼノンの矢」と同じようなことです。) しかし、微分を使えば、計算も出来ますし、また、概念的にも理解しやすくなります。
 その後、量子物理学が出現しますと、ニュートン力学の方法では説明が出来なくなります。すると、今度は、確率論が使われるようになります。
 「シュレディンガーの猫」と言う有名な思考実験があります。容器の中に放射性元素を入れておきます。この放射性元素の量を調節し、1時間にアルファー粒子が飛び出す確率が1/2になるようにします。アルファー粒子が出ると、容器の中に電流が流れ、そして電流が流れると、猫の入った容器に青酸カリが放出するようにしておきます。さて、1時間後にはどうなるか?
 アルファー粒子が出る確率は1/2ですが、その確率と言うのは、実は、1/2出ていて、1/2出ていないと言う状態を表します。(直感的には非常に分かりにくいとは思いますが、それが量子物理学における記述の仕方なのです。)すると、猫は半分死に、半分生きていると言うことになります。この思考実験は、「1/2 存在する」と言った 微粒子の在り方、或いは、その記述の仕方を、猫の生死と言う、1か0かの世界に結びつけることにうよって矛盾を引きだしている訳です。
 数学は元来自然現象を説明するのを目的としている訳ではありません。それにも拘わらず、自然現象を説明しようとする物理学の記述に数学を用いることが出来ると言うのはどうしてなのでしょうか?大変興味深い問題です。
 少々分かりにくいお話しになってしまいました。量子物理学や、そこに見られる「不確定性原理」のお話しはまた日を改めてもう少し分かりやすくお話ししたいと思います。

 本日はパルティータ第2番第4楽章「ジグ」の順番ですが、なかったので一つ飛ばし「シャコンヌ」を貼っておきます。




0 件のコメント: