2009年1月31日土曜日

斎藤美奈子さん頑張って!

H氏はフェミニストです。それも結構過激な!現在、数多くの女性の作家が活躍していますが、女性の文芸評論家は極めて少ないと言うのが現状です。何だか、「女性の皆さん、小説でもエッセイでも好きに書いて下さいね。私たち男は女性にも寛容なのよ~ん。でも、評価するのは男だもんね。」ってな感じですよね。
 その中にあって、斎藤美奈子さん頑張っています。やたら難しい言葉を使ったりもしないし、(これはH氏もちょっと反省。)男性の批評家にはない視点もあって、ハッとさせられることがよくあります。写真・左は一番最近買った斎藤さんの本、右はとても感心した本です。(「妊娠小説」、「文章読本さん江」、「モダンガール論」なども面白いですよ。それに岩波新書の「冠婚葬祭のひみつ」も面白く読ませて貰いました。)彼女の批評是非読んでみてくださいね。H氏は以前からずっと心密かに応援して参りました。これからも頑張ってくださいね。H氏も頑張りますよ~ん(!?)。

2009年1月30日金曜日

アイルランド(2)

アイルランドの話をもう少ししておきましょう。 どこから話を始めましょうか。考古学的に言うと BC3500 くらいから新石器時代に入りますが、アイルランドでもストーン・サークルやドルメンなどの巨石文化が始まります。もっとも有名な遺跡は写真・上の New Grange 遺跡で BC3000 前後のものと言われています。この当時はドゥロイド僧を中心とする自然崇拝の時代で、中心部の石室に、1年に一回冬至の日のみに光が差し込むように造られています。
 その後、紀元6世紀頃に大陸からケルト人が渡って来て、ケルト文化が栄えるようになります。写真・左下はケルトの装飾品です。ここに見られるようにケルトの美術は組紐模様をベースとした幾何学模様を特徴とします。(ケルトの美術に関しては、鶴岡真弓氏の「「ケルト/装飾的思考」(筑摩書房)などが参考になります。)
 その後、紀元 432 年に、St. Patrick がアイルランドにキリスト教を布教し、その後アイルランドは敬虔なカトリックの国になります。その際パトリックはケルト文化を抑圧しようとせず、キリスト教とケルト文化の融合を図り、その結果アイルランドには独特のキリスト教文化が生まれます。例えば、先日の写真の一番下には High Cross と言うアイルランド独特の十字架が写っていますが、十字の中心部にある円は日輪を表し、ケルトの太陽崇拝の名残だと言われています。また、この十字架にはケルト模様が一面に彫られています。またアイルランドの国花 Shamrock (シロツメクサ)はパトリックが布教する際三位一体を説明するのに用いたと言われています。
 写真・右下は、The Book of Kells と言う、8世紀頃に作成された聖書の写本の中の頁です。XPI (ギリシャのでキリストを表す「クリストス」の頭文字)を装飾的に描いたものですが、ここにもケルト独特の装飾が施されています。ローマ帝国がキリスト教を禁止すると、アイルランドはキリスト教布教の中心となり、数多くの修道院が建てられ(今でも至る所に修道院があります。マザー・テレサが最初に入ったのもダブリン郊外の修道院でした。)、写字僧によって聖書の写本も数多く作られました。
 ケルト文化はもともと文字を持たぬ口承文化で、キリスト教の布教とともにアルファベットがもたらされ、文字文化の時代になります。それ以前には吟遊詩人が活躍し、音楽に合わせて神話や伝承を語っていましたが、アイルランドのシンボルの一つであるハープはその伝統を表しています。現在も音楽が盛んなのはそのようなケルトの伝統に基づいていると思われます。
 修道院の写字僧たちは聖書を写すのみならず、ケルトの神話や伝承を文字にして行きますが、その際ケルトの神々が矮小化されて「妖精」になったと言われています。 20世紀初頭にイェイツが編輯した「ケルト妖精物語」はちくま文庫でから出ています。イェイツが妖精物語や民話を蒐集している時、500以上もの話を暗記している老婆がいたと言うことです。ケルトの口承の伝統はかなり近年まで残っていたようです。
 16世紀以降は英国の支配下、カトリック信仰はもちろん、アイルランド独自の文化も弾圧を受けます。アイルランドの音楽は、家の中で密かに歌い継がれ、そのリズムは暖炉の前で足を踏みならすことによって伝えられました。腕を両脇に付け、上半身を使わずに踊るアイリッシュダンスはこうして発達したと言われています。
 まだまだ、アイルランドについて語ることは多くあるのですが、長くなったので、今日はこの辺にしておきましょう。また、お話することもあると思います。

2009年1月29日木曜日

アイルランド



皆さん、アイルランドと言う国を知っていますか?英国のすぐ西の小さな島国です。H氏はアイルランドに縁があり、1年間首都のダブリンに住んでいたこともあります。アイルランドは20世紀に入るまで英国の植民地で、19世紀中頃のジャガイモ飢饉で100万人以上が餓死し人口が半減するなど、悲惨な歴史を持つ国です。1910年代の独立闘争は映画「マイケル・コリンズ」や「麦の穂を揺らす風」などに描かれています。
 しかし、この国は芸術的に優れた国で、James Joyce, W.B. Yeats, Samuel Beckett など、数多くの優れた作家を輩出し、また音楽も盛んです。産業の発達が遅れたせいもあって、美しい自然が国中に残っています。もっとも、特に西部は気候が厳しく土地も痩せているので、生活は過酷です。かつては、国内に産業が発達していなかったため、失業者が多く、職を求めて海外に出て行く人も多かったのですが、近年は EU に加盟し外国の会社がアイルランドに進出したこともあって、徐々に経済発展も進んでいるようです。今も残るケルト文化、英国に支配され続けた歴史、そしてそれを背景とした文学など、この国のことを学ぶと色々なことを考えさせられます。ここ10年ほどちょっとしたアイルランド・ブームがあり、色々アイルランド関係の本も出版されています。(「リバーダンス」も人気があるようですね。それにエンヤの音楽などもよく耳にします。)皆さんもちょっとアイルランドのことを調べてみると面白いかもしれませんよ。

2009年1月28日水曜日

H氏の小物(3):「のだめ」のレッスンバッグ

H氏は今日も忙しく、ブログにエントリーする時間もありません。と言っておきながら、それも詰まらないので、H氏愛用の「のだめ」レッスンバッグの写真を掲載いたします。
 話はそれますが、お年玉年賀はがき、今年は切手シートが5枚でした。H氏個人に来る年賀状は150枚程度なので、確率的には悪くないのですが、毎年切手シートしか当たりません。1等、2等とは言いませんが、せめて3等の「とらや」の羊羹、「ニッスイ」のふかひれスープ・カニ缶セットでも当たらないかと思っているのですが・・・。H氏は食いしん坊なのでしょうか?
 誤解されるといけないので言っておきますが、先日書いた「八百卯」、ただフルーツ・パフェが食べられなくなったから残念なわけではありません。もちろん「檸檬」に出てくる歴史的な店がなくなることもとても残念なことです。それにH氏は寺町のあの界隈の風情がとても好きなので、あの店がなくなったらどうなるのだろうと心配もしています。それから、お店のおじさん、おばさんがとても親切で、何だか昔ながらの店と言う感じでよかったんですよね。ご主人のご冥福を心からお祈りしたいと思います。
 右の写真の「桜桃」(作り物です)も「八百卯」さんで買ったものです。こんなものも売っていたんですよ。(オレンジは他で買ったものですが、ちょっと檸檬ぽい色をしているので序でに入れておきました。)

2009年1月27日火曜日

八百卯が閉店したそうです。残念。

1月24日をもって、先日「H氏の好物」でご紹介した梶井基次郎の「檸檬」で有名な果物屋さん「八百卯」が閉店したそうです。ご主人が亡くなられたようです。残念なことです。「丸善」も撤退し、「檸檬」に纏わるお店がなくなってしまいましたね。以前行った時、下でパフェを頼むと二階のパーラーにご主人が持ってきて下さいました。H氏が桃のパフェを見て嬉しそうにしているとご主人も微笑まれていました。先のブログに乗せた写真はその時ご主人に撮っていただいたものです。もうあそこでパフェを食べられないかと思うと断腸の思いです。あそこのパフェはそれ程おいしいものでした。もう一度写真を掲載しておきます。(プライバシーのため顔はカットしてありますが、この時H氏は本当に嬉しそうな顔をしています。)

H氏の好きな推理小説

今日は珍しく少し時間が空いたので、もう一つ書き込みます。H氏は推理小説も読みます。中井英夫の「虚無への供物」、小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」、夢野久作の「ドグラ・マグラ」と言ったトラディショナルな推理小説も読んでいます。今日はその中からお薦めの推理小説を紹介いたします。
 まずは写真左のウンベルト・エーコの「薔薇の名前」(国書刊行会、上・下)。英国のタイムズが20世紀の終わりに行った20世紀のベスト100の推理小説部門1位の作品です。エーコは著名な中世学者・記号学者でもあり、また小説家でもあります。この小説は中世の修道院を舞台に繰り広げられる書物を巡る殺人事件を扱っています。こんな面白い本、読んでないと罰が当たりますよ。尚、この小説は、ショーン・コネリー主演で映画化されていて、DVD も販売されています。
 次は日本の推理小説でH氏が好んで読む、笹井潔の「哲学者の密室」。ハイデガーの死の哲学を背景にした中々読み応えのある推理小説です。この小説は、「バイバイ・エンジェル」「サマー・アポカリプス」との3部作になっているので合わせて読まれるといいですよ。
 ロラン・バルトは「S/Z」(写真右)の中で、謎を課しそれを解く機能を持つ単位の総体を「解釈学的コード」と名付けていますが、バルトがこの本で分析しているバルザックの「サラジーヌ」は、通常、推理小説のジャンルには入れられません。謎を課しそれを解いていく機能は、推理小説に限らず、読者を先へと読み進めさせる力になります。例えば、ドストエフスキーの小説にはこの読者をドライブする力が強く働いています。最近新訳で話題になった「カラマゾフの兄弟」を始め、「罪と罰」、「悪霊」、「白痴」、どれを取っても「推理小説」のジャンルに入れてもいい程、この力が強く働いています。そう考えると、ドストエフスキーの小説も、トマス・ピンチョンの「V.」、「競売ナンバー49の叫び」とかもお薦めの推理小説と言っていいのかも知れません。

ヴァイオリンのレッスン

今日はヴァイオリンのレッスンの日です。H氏はここのところ忙しくて余り練習が出来ていません。H氏の先生は「のだめ」のリカちゃん先生みたいな先生で、課題が出来ていなくても怒ったりはしません。でも、H氏は、立派なヴァイオリニスト(?)になるためにはもっと精進しなくてはと反省しつつレッスンに行くはめになります。H氏は何時になったら立派なヴァイオリニストになれるのでしょうね。春休みになったら一所懸命練習するぞと心に誓うH氏でした。早く、バッハのパルティータとかが弾けるようになりたいよ~。ワンワン。(H氏は犬ではありませんし、また戌年でもありません。また犬に似ている訳でもありません。)

2009年1月26日月曜日

H氏の読書会

H氏はかつてローカルな文芸賞の小説部門の審査員を何度かしたことがあります。その授賞式で賞を取った方たちに請われて月に1度読書会をするようになりました。もう結構長く続けています。明日はその読書会の日で、今回はH氏の好きな作家の一人である高橋源一郎の「いつかソウル・トレインに乗る日まで」を読むことになっています。
 この小説の帯には「著者初の、そして最後の超純愛小説」と書かれています。主人公のケンジは50代で通信社に勤務しています。彼はかつて学生運動に加わり、その後、通信社に勤め、ソウルに派遣された際にも、韓国の学生運動に関わりを持ちます。彼はスンナミと言う女性と恋愛をし、やがて別れて日本に帰りますが、スンナミは、彼の友人でもあるキム・ヨンシムと結婚します。時が流れ、スンナミが亡くなり、やがてキム・ヨンシムも亡くなります。その後まもなくケンジは仕事で韓国に行き、スンナミの娘ファソンと出会います。この二人の間にこの世のものとも思われぬ、人と人とが直截に向かい合う、恋愛関係が生まれます。ケンジは仕事も忘れ、ファソンと「世界の果ての宿」に滞在するのですが・・・。
 ここに描かれるのは、人生そのものを変えてしまうような恋愛で、思わず憧憬を覚えて仕舞いますが、そこは高橋源一郎のこと、一筋縄ではいきません。少なくとも、今流行の恋愛小説のパロディーになっているのは間違いないと思われます。例えば、村上春樹の恋愛小説。「世界の果て」は「世界の終わり」を思い出させますし、筆致がどうも村上春樹風です。また、「世界の中心」(片山恭一の「~で愛を叫ぶ」)を意識していることも間違いないでしょう。それから、所謂、韓流ドラマも。
 どこまでが本気なのか?どこまでがパロディーで、「こんなのは所詮人間の幻想に過ぎない」と言っているのか?判断に苦しむところです。むしろ、作家自身判断出来ていないのかも知れません。
 と言うわけで、そこは全て読者の判断に委ねられていると言ってもいいでしょう。皆さんはどう読まれますか?

2009年1月24日土曜日

H氏の今日の昼食

H氏の今日の昼食は、近所のショッピングモールに入っているお好み焼き屋さんからテイク・アウトしてきたお好み焼きです。美味しそう?電話で予約すると焼いておいてくれるので便利です。お店のおばさんが名前も言わないうちに「もう少しお待ちくださいね。」とか言ったので、どうやらH氏を覚えているようです。雪がちらつき寒かったです。

ドゥダメル、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ、そして「のだめ」

グスターボ・ドゥダメルと「シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ」を知っていますか? このオーケストラは、ベネズエラで貧困層の子供たちを音楽を通して健全育成するために設立された「エル・システマ」によって運営されるオーケストラで現在世界中で注目されています。(昨年NHKで「オーケストラは人をつくる ~ベネズエラのユース・オーケストラ~」というドキュメンタリーが放送されました。また、「エル・システマ―音楽で貧困を救う南米ベネズエラの社会政策 」と言う本も出版されています。)ドゥダメルはそのオーケストラの出身で、2004年、第一回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝した1981年生まれの若い指揮者です。現在は若干27歳にしてイェテボリ交響楽団の主席指揮者、2010年からはロサンジェルス・フィルハーモニックの音楽監督に就任予定です。(H氏はドゥダメルのサインも持っています!上の写真です。)
 このオーケストラは音楽的にもとても優れていますが、ラテン系の乗りで楽器を回したり、上に掲げたりすることがあります。と言うと何かを思い出したでしょう?そう、「のだめ」の Star Rising Orchestra です。優れた若手指揮者と、派手なパフォーマンスをする若手のオーケストラ。二宮さんはきっとこのオーケストラのことを知っていて、「のだめ」に取り入れたに違いありません。ふむふむ。
 それはともかくドゥダメルとこのオーケストラのコンビ、本当にいいので是非聴いてみてください。現在発売されている CD は上の写真のベートーベンの交響曲5番・7番、マーラーの5番、それからバーンスタインの「ウェストサイド・ストーリー」の曲などが入った「フィエスタ」です。

2009年1月23日金曜日

H氏の好きな映画

H氏は映画も好きです。これからも折に触れ鑑賞した映画の話をするつもりですが、本日はそれに先立ちH氏の好きな映画のお話を致します。
 まず、監督で言うと、アンドレイ・タルコフスキー。旧ソ連に生まれましたが亡命。最後は1989年にパリで亡くなりました。追悼式で、友人の同じく反体制派音楽家ロストロポーヴィッチが涙を流しながらバッハのチェロソナタを演奏しました。左の写真にあるスタニスワフ・レム原作の「惑星ソラリス」。この映画は人の記憶や心理を形象化する海を持つ惑星ソラリスを描き、「サクリファイス」は核戦争の勃発を描いています。その他「鏡」「ストーカー」「ノスタルジア」など、どれもいい映画です。 でも、タルコフスキーの映画はどれも音が極めて少なく眠気を誘いますのでご注意。
 1999年に亡くなったスタンリー・キューブリックもH氏の好きな監督でした。左の写真にある「2001年宇宙の旅」は有名ですね。人類がまだ類人猿だった頃、突然現れたモノリスと言う石板によって人類は進化を促がされて道具を使うようになりますが、その道具として初めて使った動物の骨を投げあげると、それが細長い宇宙船に変わります。これは、人類の道具文明の進歩を一つのカットで一瞬にして表現する映画ならではの手法です。H氏は初めてこれを見たときすごいなーと大変感心致しました。核戦争を描いた「博士の異常な愛情」、「ロリータ」、ベトナム戦争を描いた「フルメタル・ジャケット」、「時計仕掛けのオレンジ」、スティーブン・キング原作の恐怖映画「シャイニング」(ジャック・ニコルソンが役にぴったりでした)、最後の作品となった「アイズ・ワイド・シャット」(トム・クルーズとニコール・キッドマンが出ていますが、キッドマンはH氏の好きな女優の一人です)。でももう新作は見られないのですね。
 ちょっと古いところでは、ルキノ・ヴィスコンティも好きな監督でした。「ヴェニスに死す」、「地獄に堕ちた勇者ども」、左の写真の「イノセント」等々殆ど見ています。それからイタリアの監督では、フェディリコ・フェリーニ、ピエール・パオロ・パゾリーニ、ちょっと新しいところではペドロ・アルモドバルなども好きです。 その他、「ヨーロッパ」、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、「奇跡の海」のラース・フォン・トリアー、「旅芸人の記録」、「エレニの旅」、「ユリシーズの瞳」のテオ・アンゲロブロスなどもいいですね。
 しかし、これまで見た映画の中で一つだけ選べと言われたら、H氏は恐らく、エルマンノ・オルミ監督の「木靴の樹」と答えるでしょう。この作品は20世紀初頭のイタリアの貧しい小作農の生活をひたすら淡々と描いた作品です。恐らく映画という表象形式でしか伝わらないものを描いていると言う点で、極めて優れた作品だと思います。それからバックグラウンドには絶えずバッハの音楽が流れています。これもH氏がこの映画を好きな理由の一つなのかも知れません。それでは今日はこの辺で。

2009年1月22日木曜日

H氏はグレン・グールドが大好きです

H氏はクラシック音楽が好きで、好きな作曲家・演奏家は沢山いますが、(先日コンサートに行ったマルタ・アルゲリッチなども大好きです。)取り分け、作曲家としては J.S. バッハ、演奏家はグレン・グールドが好きです。 CD はもちろん殆ど持っていますが、特によく聴くのは、写真にある1981年版の「ゴールドベルグ変奏曲」(55年版もいいですけど)、「パルティータ」、「平均律クラヴィーア」などです。
 昨年、NHK教育の「知るを楽しむ」でグールド特集を4回にわたって放送していましたが、録画してDVDに保存致しました。生きていて、演奏活動をしているうちに、1度でいいから生で聴きたかったワン!
 ジャクリーヌ・デュプレも好きな演奏家ですが、彼女は痛ましくも若くしてMS(多発性硬化症)に罹り、演奏活動が出来なくなり亡くなってしまいました。残念なことです。ちなみに、姉の Hilary が書いた、Hilary and Jackie と言う伝記があり、(翻訳は「風の中のジャクリーヌ ~ある真実の記録~」)1998年には Emily Watson 主演で映画化もされました。(邦題は「ほんとうのジャクリーヌ・デュプレ」)実はH氏は映画も好きです。もっとも、こちらもかなりマニアックですが。今度また映画のお話も致しましょう。
 今日はお昼を取る時間が余りないので、またアンパンと牛乳です。

2009年1月21日水曜日

お薦めの本:Y氏の終わり


H氏は職業柄、また趣味で、本を沢山読みます。お薦めの本は腐るほどあるのですが、本日は昨年読んで面白かった本を一冊紹介します。スカーレット・トマスという英国の作家が書いた「Y氏の終わり」という本です。
 トマス・E・ルーマスと言う19世紀の作家に興味を抱く女性の大学院生アリエル(もちろんシェイクスピアの「嵐」 から取った名前でしょう。)がふとしたきっかけで、それを読むと死ぬという幻の書「Y氏の終わり」を手に入れます。その本には、それを飲むと人間の集合意識(?)の世界に入れる薬品の処方が書かれてあり、彼女はその薬を処方し意識の世界へと入っていきます。
 ミステリー仕掛けで書かれており、ストーリー自体かなり面白いのですが、その背景には、ハイゼンベルグの「不確定性原理」など現代の知の最前線が提供する諸問題が隠されています。
 「不確定性原理」は量子を人間が観察すると、その様態に変化をもたらすと言うことを明らかにしましたが、それを敷衍すると、例えば、ビッグバンも人間が観察した結果存在するようになったと推論することも出来る訳です。つまり、人間の思考には世界の有り様を決定するエネルギーがあると言うことになります。
 こんなことを言っても中々分かりにくいかも知れませんが、ともかく、ミステリー仕立てで面白く読める小説であると同時に、現代の知が提起する問題を扱った読み応えのある読み物になっていると言うことです。まあ、騙されたと思って読んでみてください。(読んだ後でも「騙された」と思うかもしれませんが・・・)

2009年1月20日火曜日

H氏の今日の昼食

H氏は今日も忙しく、昼休みにも会議があったので、昼食をとるのが2時くらいになってしまいました。今日の昼食はケンタッキー・フライドチキンの「旨辛チキンセット」とデザートのハーゲンダッツ(Azuki Milk)です。ちょっとカロリーが高すぎるかしらん?

2009年1月17日土曜日

今日はセンター試験。

今日はセンター試験。と言ってもH氏は受験生ではありません。こんなことを書くとH氏の職業が露見する危険性があるのですが、H氏は朝早くから試験監督でくたくたです。何もしないでじっと監督するというのは極めて辛い仕事です。特にリスニングはトラブルがあると大変なので、無神論者のH氏も今日ばかりは、神様仏様、In nomine Patris, et Filii, et Spiritus Sancti. (父と子と聖霊の名において)、マントラー、南無阿弥陀仏などと口走り、八百万の神々に無事終わるようにとお祈りをしてしまうのでした。その甲斐あってかアクシデントもなく無事終了しました。来週も大学院と留学生の入試。あとは前期日程と後期日程の入試。本格的な入試シーズンに入ります。受験生も大変でしょうが、試験をする方も結構大変なんですよね。やれやれ。(テクストだけだとつまらないので、先日お話ししたマルタ・アルゲリッチのサインの写真を掲載いたします。(感激!)

2009年1月16日金曜日

H氏の小物(2)万年筆

万年筆を買いました。ペリカンのスーベーレンM805の太字です。仕事の相当部分がものを書くことなので、H氏は文房具、特に筆記用具には愛着を持っています。今回購入した万年筆は、重さのバランス、ペン先の柔らかさなど、なかなかいい感じです。 次はちょっとかわいいローラーボールを買おうかな。

2009年1月14日水曜日

忙しい!


本日、H氏は多忙で、朝からバタバタしていました。でも何も書かないのもつまらないので。今日はH氏愛用のヴァイオリンの写真を載せることにしました。つまらない?

2009年1月12日月曜日

デパートに行ってきました。

1月11日(日)はデパートに行ってきました。パンツとスウェターとソックスを買いました。Jプレス、ブルックス・ブラザーズ、ポール・スチュワートなどをのぞきましたが、これまで決してバーゲン対象にはならなかったスーツなども大幅値下げしていたので驚きました。15万円ほどのスーツが8万円とかになっていたので、余程一着買っておこうかと思いましたがやめておきました。購入したパンツとスウェターも半額になっていたので、思いのほか安くあがりました。やはり不景気の影響なのでしょうね。
 紀伊国屋にも寄りましたが、探していた本がなかったので、何も買いませんでした。先日来20年ほど使っている万年筆の具合が悪く近いうちに購入するつもりなので、ちょっと見てみました。でも、万年筆はネットで買った方が安いのでそうするつもりです。購入したらまたご報告します。

2009年1月10日土曜日

H氏の小物(1)



H氏の使っている小物を少しずつ紹介しましょう。今日ご紹介するのはH氏がフラッシュメモリー入れに使っている印傳の蟇口です。これはH氏の友人が使っていて便利だからとH氏に贈ってくれたもので、H氏は持つべきものは友と感激しつつ使っています。フラッシュメモリーはそのまま鞄の中に入れておいたりすると中々探すのが大変だし、壊れてもいけないので、この蟇口、大変重宝しています。それにデザイン、風合いも気に入っています。

H氏とコミックス

H氏はコミックスを殆ど読みませんが、何かの弾みで読み始めると、ついはまってしまいます。近年はまったのは「ヒカルの碁」と「のだめカンタービレ」。「ヒカルの碁」を読み、それまでやったことのなかった、囲碁の勉強を始めました。(まだ弱いけど)
 「のだめカンタービレ」の方は、クラシック音楽ファンのH氏、そのはまり方も尋常ではなく、ヴァイオリンのお稽古に行くのに「のだめバッグ」を買ってしまった程です。のだめがよくお弁当を盗んだマキちゃんのフルネームは田中真紀子、レイナちゃんは石川伶菜。のだめのブラジャーのサイズは70のD。(特に関心はないのですが、記憶してしまっただけなのでその点は誤解なきよう。)
 はじめのうちは新刊が出る度に1巻に遡って最初から読み直していたのですが、流石に最近は直前の5巻から読むようになりました。H氏は変な具合に記憶がよく、例えば、もう何十年も合っていない小学校時代の友達の電話番号だとか、昔使っていた自転車のチェーンロックの番号とかを覚えていたりするのです。H氏も、大切なことは忘れるくせにつまらないことばかり覚えていることに、些かあきれたりもしているのです。やれやれ。
 と言うわけで「のだめ」に関しては、かなり細かいところまで覚えてしまっています。それにクラシック音楽が好きなH氏のこととて、中に出てくる曲は殆ど知っているし、今やなかなかの「のだめ」通です。

H氏の好物

 H氏は食べることが好きで、好物も沢山ありますが、特に、ケーキ、和菓子、アイスクリーム、チョコレートなどが好きです。食べものと言えば、やはり京都がいいですね。さて、それでは京都ホテル・オークラにでも泊まるとしましょうか。寺町通りに出てちょっと北に上がると右手に「八百卯」があります。この店は果物屋さんで、梶井基次郎の「檸檬」で主人公が檸檬を買った店として有名です。その二階がフルーツパーラーになっていて、ここで食べるパフェが逸品です。果物にアイスクリームだけのシンプルなパフェですが、何と言っても果物屋さんだけあって、旬の食べ頃の果物が使ってあり、とても美味しいのです。H氏はメニューを写真にとり(上の写真)、透明なデスクパッドの下に挟んで、辛いことがあるとこれを眺めては、あそこで食べた桃のパフェ(H氏はとりわけ桃と桜桃が好きなのです)美味しかったなあ!などと思い出して心を慰めているのです。
(「八百卯」にてパフェを前に喜んでいるH氏)
 さて、パフェを食べた後、さらに50メートルほど北に上がると、老舗のお茶屋さん、「一保堂」があります。最近では、全国のデパ地下にも進出しているようなのでご存じの方も多いと思います。店内に、狭いのですが、喫茶コーナーがあって、日替わりで京都の和菓子をお茶請けにして、お茶を飲むことが出来ます。帰りにお茶でも買って帰りましょう。
 次は京阪の三条駅で電車に乗って出町柳に出ます。電車を降りて南に下って橋を渡り、出町商店街の入り口から少し東に行った所に「出町ふたば」と言うおまんやさんがあります(かなり有名な店です)。何時も列が出来ているのですぐわかります。ここで、(一人なら6つくらい?)豆餅を買いましょう。何なら少し歩いて下鴨神社か北野天満宮にでも行って、境内で豆餅を3つ程たべ、後はホテルに持って帰りゆっくり食べるのも結構。北野天満宮の方に行くと老舗の和菓子屋さん「老松」がありますから、秋だったら「栗絞り」を買わなくてはなりません。ほのかに甘い栗の香りが口の中に広がり幸せな気分になれます。
 夕食は、堺町通りに出て御池通りを渡り、南に少し下がった所にある室町「和久傳」で戴き、帰りにおもたせの「西湖」を買って帰りましょう。「西湖」もH氏の大好物で、これは蓮根の澱粉に和三盆を入れて練り上げただけのシンプルなお菓子ですが、もちっとした歯ごたえに和三盆のほのかな甘みと香りが何とも言えません。
 ケーキは、全国展開しているケーキ屋さんとしては(と言っても大都市圏だけですが)「ヴィタメール」がお薦め。京都では大丸と高島屋に入っています。(東京は大丸・高島屋、大阪は高島屋・梅田阪神、名古屋は高島屋、神戸は大丸など)H氏は生クリームにうるさいのですが、ここのケーキに使われている生クリームはなかなかのものです。東京ではH氏が子供の頃から好んでいる榮太郎「きんつば」を必ず買って食べます。福岡の「鈴懸」(えんもち)もいいですね。こんなことを書いているうちに、H氏の口元からは何時しか涎が流れ出しているのでした。やれやれ。「出町ふたば」の豆餅が食べたいよ~。

絵のことなど

H氏は絵画が好きで、お小遣いでローンを組んで、リトグラフやドライポイントを買ったりしています。上の絵はH氏の好きなベルナール・ビュッフェのリトグラフで、H氏のオフィスに懸かっているものです。これはH氏が初めて買った絵で、最初に頭金を少し払い、後は毎月1万円、4年ローンで購入したものです。H氏の少ない小遣いでは支払いが結構大変でした。その後何枚か購入していますが、次はデュフィの「モーツァルトに捧ぐ」(下の写真)を買いたいと思っていますが、目下の経済状態では少々難しいので、控えているところです。
昨年、ある美術館の依頼で、その美術館が所蔵する作品のカタログの英語版を数人と友人と手分けして作成致しました。辞書に載っていない人名や地名、美術の専門用語など、調べるのが結構大変でしたが、美術好きのH氏のこととて、楽しく仕事を致しました。H氏の担当箇所にはビュッフェ、シャガール、モディリヤーニ、藤田などがあり、大変勉強になりました。

2009年1月8日木曜日

H氏の通勤

H氏はクラシック音楽を聴くのが大好きなのですが、家でボリュームを上げて聴いていると、家人にうるさいと怒られるので余り聴くことが出来ません。そこで、通勤時に車の中で大音量で聴いているのですが、そのスピードと言い、その様はまるで暴走族の如き様相を呈しています。それに、昨日のように「マタイ受難曲」などを聴いていると、何時死んでも天国に行けるような心持ちがして、些か危険です。危ない!危ない!
 今朝は最近よく聴くマーラーの交響曲第一番「巨人」を、小沢・ボストンで聴きつつ通勤。
 クラシック音楽をガンガンかけながら突っ走っているボロ車を見かけたら、それはH氏かも知れませんよ。まあ、余り近づかない方が無難でしょう。

2009年1月7日水曜日

本日のH氏


H氏は今日は一日中忙しく、今やっと仕事が一段落したので、バッハの「マタイ受難曲」を聴きながら、コーヒーを飲みつつチョコレートを食べているところです。カップはH氏の好きなエッシャーの絵柄のついたカップです。少ししたら、もう一仕事して、ヴァイオリンを練習して帰宅します。

2009年1月6日火曜日

結果発表

結局、アンパンマン、じゃなくて、H氏は今日もセブンイレブンでアンパンと牛乳それからハーゲンダッツを買うこととなりました。なお、ハーゲンダッツは Azuki Milk がなかったので、ロイヤルミルクティーに致しました。大変お騒がせし失礼致しました。それではいただきます。なお、H氏はカバには全く似ていません。カバと福山雅治のどちらに似ているかと問われれば、間違いなく福山雅治と答えることでしょう。







H氏の悩み

H氏は時折実存の苦悩を感じる。今日も昼が近づくにつれ、ある悩みがH氏を襲う。今日の昼食はどうしようか?
 H氏は昼食によくアンパンと牛乳を食すが、毎日のようにアンパンを買っていたら、行きつけのセブンイレブンのおばさんに「アンパンマン」などと言うあだ名を付けられたらどうしましょ、とか考えてしまうのだ。(ちなみにH氏は決してアンパンマンに似ているわけではない。アンパンマンとブラピのどちらに似ているかと問われれば、自信を持ってプラピと答えるであろう!??)大体において小豆とミルクの組み合わせと言うのは黄金の組み合わせである。H氏はアイスクリームが好きで、よくハーゲンダッツを食するが、中でも Azuki Milk が好みである。そういえば今年は丑年。H氏はアイスクリーム、生クリーム、ヨーグルトなど乳製品をこよなく愛しているので、年頭にあたり、牛さんに心から感謝の念を捧げたりもしているのである。
 話がそれてしまったが、昨日もアンパンと牛乳だったので今日はどうしようかと先ほどから頭を悩ませていたのであるが、そうこうしているうちに、歩いて15分くらいの所にあるショッピングモールまで行って、そこに入っているパン屋さんで、もっちりした生地に餡がはいり、外側に黄粉をまぶしてあるパンを買ってきて食べることにした。ついでにお正月なので(?)ハーゲンダッツも買ってくることにして、めでたし、めでたし。でも明日はどうしよう?H氏の苦悩は尽きることがない。

2009年1月5日月曜日

お正月のテレビ:雑感

お正月は久しぶりにゆっくり出来ました。普段余り見ないテレビも大分見ました。4日の夜は、NHK教育テレビで吉本隆明の講演を見ました。それから、確か1日か31日に「知るを楽しむ」の再放送で、瀬戸内寂聴の語る源氏物語のシリーズをまとめて放送していたので深夜まで見てしまいました。
 歴史を見ると、大方は男性中心の権力闘争と戦争について語られる訳ですが、私たちが平安時代に関して少し違った感じを受けるのは、恐らく、その時代に「源氏物語」をはじめとする女性を中心にした物語文学が盛んであったことと関係があるのではないかと思います。
 「源氏物語」にも権力闘争は描かれますが、基本的には男女の恋愛という観点から歴史が描かれます。島田雅彦は無限カノン三部作(「彗星の住人」「美しい魂」「エトロフの恋」)で、「源氏物語」を下敷きにして(蝶々夫人、豊饒の海も下敷きになっているようです。)明治から現代にかけての歴史を恋愛という観点から書き換えています。歴史を権力闘争史と見るのは一つの視点に過ぎません。
 吉本隆明は講演の中で、芸術を経済的な価値観から見れば全く無価値なものと位置づけ、それとは別の価値を持つものであると述べていましたが、その通りだと思います。現代の世界を見てみると、そろそろ、歴史・世界を単一の価値観・視点から見るのをやめて、別の視点から考えてみる必要があるように思われてなりません。

2009年1月4日日曜日

はじめまして。

初めまして。私がH氏です。今日からブログを始めます。趣味は、読書、音楽(ヴァイオリンを習っています)、その他諸々。年末に行ったコンサートでマルタ・アルゲリッチのサインを貰ってきました。どうぞよろしく。