2009年3月31日火曜日

ショパンの「ピアノ・コンチェルト1番」

H氏は今日もオフィスの掃除をしています。H氏がクラシック音楽を聴き始めた最初の頃購入致しました CD は、先日も書きましたように、まずグールドの「ゴールドベルグ変奏曲」、「パルティータ」、「フーガの技法」、ブラームスの「交響曲第3番」、そしてこのショパンの「ピアノ・コンチェルト第1番」などです。ショパンのピアノ・コンチェルト1番に関しては、最初に買ったのはツィメルマンの CD でした。これもとてもいい演奏だと思います。後にマルタ・アルゲリッチのものを購入致しましたが、すっかりファンになり、それ以降この曲の別の録音も含め、アルゲリッチの CD を沢山買いました。ピリス、ブーニン、最近のものでは、ラファウ・ブレハッチなど色々な演奏を聴き、ブレハッチの演奏なども素晴らしいとは思うのですが、未だにアルゲリッチの演奏が一番だと思っています。「三つ子の魂百まで」なのかも知れませんが、それだけではないような気が致します。さてさて、また掃除に戻らないと。

2009年3月30日月曜日

グレン・グールド、「フーガの技法」

H氏は、今日は朝からオフィスのお掃除をしております。いい加減疲れました。7リットルのゴミ袋4袋、段ボール箱に2箱、ゴミを詰めました。まだまだ終わりそうにありません。やれやれ。
 今はちょっとひと休み。グールドの「フーガの技法」を聴いております。この曲はバッハ最後の未完の曲です。先日も触れましたように、当時はBをCで表し、BはB♭の音を表しました。バッハは最後のページに BACH と言う音を譜面に嵌め込みました。まるで墓碑銘のようではありませんか!そして、その直後この曲は何の前触れもなく突然終わり、バッハは亡くなってしまったのだなと感じさせます。ご冥福をお祈り致します。ちなみに、グールドが演奏しているのはチェルニーが編曲した版です。 この CD には「イタリア協奏曲」も入っていますが、これもHの好きな曲です。

2009年3月28日土曜日

ル・クレジオの「調書」とサン・サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」

H氏は本日、大学院時代に教わった先生の退官記念パーティーに呼ばれ、行って参りました。帰りにジュンク堂に寄り、ル・クレジオの「調書」を買って参りました。この本、長らく絶版になっており、読もうと思いながら、時間をかけ原書で読む余裕がなく、そのままになっておりました。昨年ノーベル文学賞を受賞したのを機に翻訳が復刊されましたので、買おうと思っていたところでした。読んだらまた感想など書くことに致します。ついでに、サン・サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」の譜面を買って参りました。
 そう言えば、少し前、芸術劇場でラクリンがこの曲を弾いていましたね。中々よい演奏で、Hも弾いてみたいと思っておりました。

2009年3月27日金曜日

アルゲリッチのラフマニノフ、ピアノ・コンチェルト3番、ムター、ワイセンベルクによるブラームスのヴァイオリン・ソナタ、そして記憶


昨日、アルゲリッチの「ラフマニノフ、ピアノコンチェルト3番」について書きました。これはHのよく聴く CD の一枚です。それにも拘わらず、共演をバレンボイム・ロンドン交響楽団と、誤ったことを書いてしまいました。正確にはリッカルド・シャイー指揮、ベルリン放送交響楽団です。好きでよく聴く曲だけに、何故このような記憶違いをしていたのか分かりません。一つには、Hは、よく聴く曲はバックアップを取って、そちらを聴くことにしており、それにデータをきちんと書き込んでいないと言う事情もありますが、それにしてもと、我ながら愕然と致しました。それに、昨日自宅に置いてある CD を探索していましたところ、無いと思っていたブラームスの交響曲2番がありました。その他にも買った記憶がない CD が何枚かありました。どうしたことでしょう!H、記憶力には自信があったのですが、すっかりその自信を失ってしまいました。恐らく1万冊程度ある本にしても、この本はある、この本は無い、と即座に判断できると確信致しておりましたが、その確信も幾分揺らいで参りました。困ったものです。同じ CD を2枚買ってしまわないよう気を付けようと思います。
 こんなことを書きながら、ムター、ワイセンベルクによるブラームスのヴァイオリン・ソナタを聴いております。

2009年3月26日木曜日

ランラン、19歳のラフマニノフ、ピアノコンチェルト3番

3月22日の「N響アワー」見られましたか?「N響アワー30年の歴史 」と題して過去の放送を抜粋してやっていましたが、19歳の時のランランのラフマニノフ、ピアノ・コンチェルト3番をやっていましたね。演奏はともかくとして、パフォーマンスには驚きました。ランランの演奏は、親指の角度と左手の手首の角度が独特ですね。それはまあ何時ものことですが、特に最後のあたりのパフォーマンスは、その顔つきといい、身体の動かし方と言い、「この人大丈夫か知らん?」と思ってしまう程常軌を逸していましたよね。(演奏中の内田光子さんの顔とかも凄いですけど・・・失礼。)でも、やはりHが好きなのはアルゲリッチとバレンボイム・ロンドン交響楽団の演奏です。CD は自宅にあり手元になかったので、写真は別のもので、Hが持っているのはラフマニノフの3番のみが入っているヴァージョンです。嘗て、レーザーディスク(?)で出ていたらしいのですが、何故 DVD にはならないのでしょうか?この演奏では、アルゲリッチが少々走り気味ですが、渾身の力を込めて弾いているようなので是非映像が見てみたいのですが。

ジェイン・オースティンの "Sense and Sensibility" と「濃厚なめらか杏仁」とグールドの「イギリス組曲」


ジェイン・オースティンの Sense and Sensibility (「分別と多感」)をお読みになったことはありますか?主人公は分別のある姉のエレノアと感受性が強くロマンティックな妹のマリアンヌ。例によって二人の結婚話で、最後はハッピーエンドになりますが、本当にハッピーエンドなのかと言うとなかなかそうも参りません。
 話は、彼女たちの父親が亡くなり、一家が家を追放されるところから始まります。何故追放されるかと言うと、この一家は母と3姉妹で男の子がいません。英国では20世紀になるまで女性の財産権が認められておりませんでしたので、家は従兄弟の物となり、一家は家を明け渡さざるを得なくなるわけです。彼女たちは田舎の親戚のコテージに住むようになります。エレノアは分別の故に自分の恋愛を進めることが出来ず、また情熱的なマリアンヌは分別の欠如の故に恋愛に失敗します。
 二人はやがて結婚致しますが、それでめでたし、めでたしと言う訳には参りません。ジェイン・オースティンの主人公たちがどうしてこんなにも、馬鹿みたいに結婚、結婚と言うのかといえば、女性は結婚する以外に生きて行く道が無かったからです。そのこと自体が問題なのです。三女は世界地図が好きで、何時か世界中の色々な所を冒険したいと思っていますが、女性であるが故にその夢が叶わないことは前もって分かっています。彼女たちの結婚をめでたし、めでたしと考える学生の皆さん、特に女子学生の皆さん、その辺のところをよく考えてみて下さいね。
 さて、H氏の今日の昼食はサンドウィッチとコーヒー、それからセブン・イレブンの「濃厚なめらか杏仁」でした。この「濃厚なめらか杏仁」、ちょっと気に入っています。昼食をとるにあたり本日は、グレン・グールドのバッハ「イギリス組曲」をかけました。しかし、今や「濃厚なめらか杏仁」もH氏のお腹の中。この世の無常を感じます。午後は雑用を済ませてから、懸案のオフィスの掃除を少ししようと思っています。今日の午前中まで、仕事に追われていましたが、どうやら一段落致したようです。(?)

2009年3月25日水曜日

ヒラリー・ハーンの "Hilary Hahn plays Bach"



昨日、ヤマハに楽譜を買いに行ったところ、求めていた楽譜が無くて購入できませんでした。その代わりまた CD を買ってしまいました。先日、音楽関係の出費が嵩んでいるので節約しなければと言ったばかりなのに!しかも、またバッハです。(写真・上)先日購入した「ヴァイオリン協奏曲集」が中々よかったので、ハーンがパルティータ・ソナタをどのように弾いているのか聴いてみたくなりました。
 この CD はハーンのデビュー・アルバムで、この時彼女は何と弱冠17歳です。以前書きましたように、Hが一番よく聴くのはギドン・クレーメルの全集ですが、それと比べると全体的にテンポはやや遅めです。録音はクレーメルのものが、残響が若干過剰であるように思われるのに対し、ハーンのものは適度に抑えられていて、この点に関してはハーンの録音の方がいいように思われます。技術的にはクレーメルの方が上なのでしょうが、ハーンも一つ一つの音を丁寧に弾いていて好感が持てます。いずれにしても、大変心地よく聴ける演奏です。
 それにしても、17歳でこのような演奏が出来ると言うこと自体素晴らしいことだと思います。ジャケットの写真はまだ子供と言った感じですよね。それに、ヴァイオリンがまるでヴィオラのように大きく見えます。中央は2003年にリリースされたアルバムです。すっかりお姉さんらしくなられました。下の写真は昨年リリースされた最新のアルバムですが、大分大人らしくなられていますね。以前ご紹介致しました、ドゥダメルと共演したローマ教皇の誕生日記念コンサートの DVD を見て、すっかり大人の女性になっていらっしゃったので、ちょっと驚きました。次はエルガーのヴァイオリン協奏曲でも購入してみようかと思います。

2009年3月24日火曜日

夏目漱石の「坑夫」と諏訪内晶子のチャイコフスキー、メンデルスゾーンのヴァイオリン・コンチェルト

今日は月に1度の読書会の日でした。今回は夏目漱石の「坑夫」を読みました。「坑夫」は漱石の作品の中では不人気で、評価もされていません。しかし、漱石の文学を考える上では重要な作品だと思います。この小説で主人公は自分の心理を徹底的に分析し、「てんで性格なんてものはない・・・人間は妙に纏めにくいものだ。」と言います。人間とは、その時々の心理によって動かされる、曖昧な存在であると主張しているのです。このような、謂わば、心理主義は、漱石が英国に留学していた、20世紀初頭の英国の文化的思潮の中に位置づけることが出来ます。当時の新しい英文学は、人間を心理的な存在と位置づけながら、やがて、意識としての個我の曖昧性を問題にせざるを得なくなります。漱石はこの潮流を確実に認識していました。そして、漱石の文学の根底には一貫してこの自我の問題が流れています。そしてこの作品はその出発点として重要な意味を持ちます。
 漱石の「坑夫」と諏訪内晶子には如何なる関係があるのでしょうか?一見全く関係ないように見えますが、本当に関係ありません。ただ「坑夫」を読んでいるうちに、久しぶりに聴きたくなって、聴いていると言うに過ぎません。そこに如何なる心理の働きがあるのか、人間とは分からないものです。 
 今日はこれからちょっとお街に出ます。ついでに、ヤマハに立ち寄ってブラームスのヴァイオリン・ソナタの楽譜を購入致したいと思います。

2009年3月23日月曜日

卒業式とベーム、ウィーンフィルのブラームス交響曲

本日は卒業式です。肌寒くはありますが、晴れてよかったです。女子学生はお着物の方が多いですからね。卒業生・修了生の方々のご多幸をお祈りして、夏目漱石の「坑夫」を読みつつ(???)、ベーム・ウィーンフィルのブラームス交響曲3番・4番を聴くことに致します。(?!)

2009年3月22日日曜日

グレン・グールドのバッハ・インヴェンションとお仕事と卒業式

本日は日曜日ですが、H氏は年度末で仕事が忙しく、オフィスに来て、お仕事をしています。バックグランドには、H氏お気に入りのグレン・グールドの弾くバッハのインヴェンションが流れております。何と心を和らげてくれる音楽でしょう!
 明日は卒業式。学生でなくなると言うのは少々寂しいものです。大学・大学院を出て行く学生の皆さまが苦しみを味わうことなく、充実した人生を送って行かれるよう、心よりお祈り致します。(Hは無宗教ですけれど。)ご卒業される皆さん、元気に、逞しく、楽しく、生きていって下さいね。陰ながらHも応援致しておりますよ。

2009年3月21日土曜日

H氏の今日の昼食

代わり映えしませんが、上の写真がH氏の今日の昼食です。コロッケパンに、黄粉をまぶしたもっちりアンパン、それからデザートにハーゲンダッツ(Rich Milk, Azuki Milk)。今日はハーゲンダッツが特売になっており、何と198円でした。特売だからと言って大量に買い込むのも品がないと思い二つに致しました。ちなみに、今日の朝食は、おむすび二個とお豆腐とワカメのお味噌汁、それに卵焼きでした。Hは味付けのりは、甘ったるくベトベトしていて好みません。戴く直前に大きめに切った焼き海苔を巻いて戴きます。

ヒラリー・ハーンのバッハ・ヴァイオリン協奏曲集


昨夜、H氏はお街に出て夕食にお寿司を戴きました。(大したお寿司やさんでもございませんし、カウンターで食べたので写真を撮るのは憚られました。それで写真はありません。)ついでにちょいと CD ショップに立ち寄り、ヒラリー・ハーンとロサンジェルス室内管弦楽団の「バッハ・ヴァイオリン協奏曲集」を購入致しました。今もそれを聴きながら書いていますが、中々よい演奏です。
 諏訪内晶子の「バッハ・ヴァイオリン協奏曲集」と曲目は全く同じです。テンポはハーンのものは速い所は早く、遅いところはより遅く演奏されています。逆に、強弱は諏訪内晶子の演奏の方が抑揚が強いようです。どちらも優れた演奏で甲乙付けがたいのですが、好みとしては、「二つのヴァイオリンのための協奏曲」、「ヴァイオリン協奏曲2番」はハーンの演奏の方がいいような気が致します。バッハの演奏としては諏訪内晶子のは少々ロマンティック過ぎると言うか・・・。
 ここのところ、音楽関係の出費が嵩んでいます。少し節約しないと!それに、最近は同じ曲を異なった演奏家で何枚も買う傾向があり、このようなことを続けていると切りがないような気も致します。もう既に文学に関しては、仕事とはいえ、極めてマニアックなので、これ以上マニアックなフィールドが増えると、大変なことになりそうです。危ない、危ない!

2009年3月20日金曜日

アンネ=ゾフィー・ムターと化粧水

先日お話した、ムター、ヨーヨーマ、ゼルツァーとカラヤン・ベルリンフィルによるベートーベンのトリプル・コンチェルトの入った CD を購入致しました。朝から何度も繰り返し聴いていますが、弦の響きがきれいで中々結構です。
 話は変わりますが、H氏はお風呂上がりや朝顔を洗った後に、必ず顔に化粧水と乳液を付けています。と言っても、クレド・ポーや SKⅡ と言った高級品ではなく、肌ラボ・極潤を使っております。こんなことを書くとHはお姉系だと思われるかも知れませんが、決してそんなことはありません。服装は Brooks Brothers や J. Press などトラッド系、髪はやや長髪ですが、女性の髪型ではありません。それに性的関心を抱くのはもっぱら女性です。(少々はしたないお話しになりました。)ただ、お酒を飲まず、美味しいものを戴くのが好きで、とりわけ、ケーキやアイスクリーム、和菓子などが好きだったり、また、生粋のフェミニストでもあるせいか、女性との方がお付き合いしやすく、自然、お友達も女性の方が多くなっています。
 それで友人の一人が、もうそろそろお肌のお手入れをしないと、年を取ったらシミだらけになるよ、などと脅すのです。Hとてシミだらけは容赦願いたいので、何年か前から化粧水をつけたり、年間を通して毎日日焼け止めを塗るようになりました。車に乗るときにはオバサン(失礼)のように、黒くて肘までくる手袋を致しております。初めは、有料道路の料金所などでちょっと恥ずかしく感じましたが、近頃は何と言うこともありません。何度も申しますがHは決してお姉系ではございませんが、どちらかと言えば女性的なカルチャーの中で生きているのかもしれません。やがて、オバサンのようなオジサンになってしまうのかと思うと、我ながら少々不気味に感じます。どうしましょ。

2009年3月19日木曜日

ヨーヨーマのバッハ・無伴奏チェロ組曲


先日も書きましたが、H氏はヨーヨーマのコンサートに行ったことがあります。大分前になりますが、2000年に広島で「バッハ没後250周年記念・2000年広島平和を祈るコンサート」と題して、8月6日原爆記念日にヨーヨーマの「バッハ無伴奏チェロ組曲」、10月にミチェル・コルボ、フライターク・アカデミー室内管弦楽団、ローザンヌ声楽アンサンブルで「マタイ受難曲」が演奏されました。Hはどちらもとても好きな曲なので、シーズンチケットを25000円で購入し、広島に行って参りました。よい席を取ろうと先行予約で真っ先にチケットを取りましたので、中央通路脇5列目の席が取れました。
 ヨーヨーマの演奏はとても素晴らしいものでした。間近で聴いたので、弦の擦れる音まで聞こえ、またとない感動を味わいました。嘗てはジャクリーヌ・デュプレが使っていた、あの名器「ダヴィドゥス・ストラディバリ」が自分の直ぐ側で弾かれていると言うだけでも信じられない思いが致しました。
 コンサートがはねてからヨーヨーマは、原爆の日の式典が行われた平和記念公園の元安川の畔で、無伴奏チェロ組曲を演奏致しました。Hは当然のことながら、こちらも聴きに参りました。灯籠流しの灯籠が流れる元安川に響くバッハ無伴奏チェロ組曲は心に染みいりました。蒸し暑い川の畔、楽器に悪い環境であるにも拘わらず、平和への祈りを込めて無料で演奏して下さったヨーヨーマに心より敬意を表したいと思います。(Hは戦争は絶対悪と考えております。)
 また、「マタイ受難曲」も生で全曲聴くのは初めてだったので、3時間以上に及ぶ長いコンサートを心ゆくまで堪能致しました。コルボ様、それにソロの皆様大変お疲れさまでした。ずっと背筋に鳥肌が立っておりましたよ。どちらも忘れられないコンサートです。(下の写真はプログラムの一部です)

2009年3月18日水曜日

ディジタルカメラ

オフィス用にディジタルカメラを購入致しました。キャノンIXY 920IS です。これまで、ブログ用の写真は携帯電話のカメラで撮っていましたが、これからはこのカメラで撮ることに致します。写真が少し綺麗になるかもしれません。お楽しみに。(別に楽しみになどしていないですって!)尚、当然のことですが、上の写真はまだ携帯電話のカメラで撮ったものです。

ヴァイオリン

ヴァイオリン、難しいです。何日もかけて練習したところを CD で聴くと、至極あっさり、あっという間に終わってしまいます。やれやれ。プロの演奏家でも CD に録音する前には相当の練習を積んでいるのに違いないのですが、それにしても少々歯がゆく思わざるを得ません。
 でも楽器をしていると、曲に対する感じ方や関心の持ち方が変わって参ります。例えば、今練習しているバッハの曲にしても、一つのテーマが転調されスケールを上昇しながら、繰り返され、また何時の間にか元に戻ったり致しますが、転調されているにも拘わらず、同じ調の中で何ら違和感を感じることはありません。また、そのテーマに別のテーマが被せられますが、ここでも全く和声に破綻がありません。これってどうなっているのか知らんと不思議に思うやら、感心するやら。今度、バッハの和声に関する専門書を買って研究してみようか知らん、などと考えてしまうのです。また、歯の立たない曲でも、譜面を見ながら聴いていると、ここはこんな風に弾いているのだなと、また別の楽しみ方も出来ます。それに、コンサートで前の席に陣取って、ヴァイオリニストの演奏をじっくり観察するのも楽しいものです。
 自分で自分の演奏を聴いて、ギドン・クレーメルとは何たる違いなどと嘆くのも業腹ですが、音楽の楽しみ方がまた一つ増えて、いいものですよ。

2009年3月17日火曜日

雪柳と桜そしてバッハの無伴奏チェロ組曲


週が明けてからめっきり春めいて参りました。庭の雪柳が白い花を咲かせ、桜がほころび始めましたので写真を撮ってみました。バッハの無伴奏チェロ組曲を聴きながら見てくださいね。(どうして?Hもそうしておりますので。)何やら心地よくなって参ります。

2009年3月16日月曜日

ムター、ヨーヨーマ、カラヤン・ベルリンフィルによるベートーベンのトリプル・コンチェルト

H氏はドゥダメルとシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ、アルゲリッチとカプソン兄弟のコンサートに行って以来ベートーベンのトリプル・コンチェルトハ長調が好きになりましたが、この度、ムター、ヨーヨーマ、マーク・ゼルツァー(このピアニストHはよく存じ上げません)カラヤン・ベルリンフィルによるトリプル・コンチェルトがリリースされていることを発見致しました。
 ムターは、Hが20歳くらいの頃、コンサートに行って以来好きになり、ブラームスのヴァイオリンソナタなどよく聴きます。独特の深い響きがいいですね。それにチェロがヨーヨーマなのですからこれは是非購入致したいと思っています。
 ヨーヨーマは何年か前バッハの無伴奏チェロ組曲(これもHの大好きな曲です)を演奏したコンサートを聴きに参りました。それまではパブロ・カザルスで聴くことが多かったのですが、それ以降はヨーヨーマで聴くことが多くなりました。
 このディスクにはブラームスのヴァイオリン協奏曲ニ長調も入っております。こちらもHの好きな曲です。

2009年3月14日土曜日

ギドン・クレーメル:バッハのソナタとパルティータ

優れたヴァイオリニストは数多くいますが、現在活躍しているヴァイオリニストで、H氏が No.1 に挙げるのは矢張りギドン・クレーメルです。バッハ好きのH氏としては特に写真の、バッハのソナタ・パルティータ全集が好きです。圧倒的な技術と芸術性の高さを感じます。
 結構来日していますが、H、迂闊にもまだコンサートに行ったことがありません。マルタ・アルゲリッチとは仲がいいみたいでよく共演していますが、今年のアルゲリッチ音楽祭にも来ますよね。H氏も行きたいと思っていたのですが、仕事の都合でどうしても行けません。悔しい!
 Hも何時かクレーメルのようにヴァイオリンが弾けるようになりたいと思うのですが・・・。無理ですよね。

2009年3月13日金曜日

オフィスのお掃除

年度末を迎え、そろそろ、空いている時間に少しずつオフィスの掃除を始めようと思います。H氏は職業柄、本が多く、オフィスと自宅を合わせると恐らく1万冊くらいの本があります。それに、CD、DVD、ヴィデオなども相当あるので、スペースがいくらあっても足りません。年度末には要らないものを出来るだけ整理しないと部屋中もので溢れかえることになります。3月中に不要品を大量に整理することをここに宣言致します。(昨年も、3月、8月、12月に宣言致しましたが、全く実行できませんでした。今年こそは!ふんふん!(鼻息))

2009年3月12日木曜日

ドゥダメル、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラとアルゲリッチ、ルノー・カプソン、ゴーティエ・カプソンのDVD

来る5月27日に、マルタ・アルゲリッチ、ルノー・カプソン、ゴーティエ・カプソンと、ドゥダメル指揮シモン・ボリバル・ユース・オーケストラのザルツブルグ音楽祭ライブが発売されるそうです。曲は、日本公演でも演奏した、ベートーベンの「トリプル・コンチェルト」とムソルグスキーの「展覧会の絵」のようです。前にも書きましたように、H氏は日本公演で「トリプル・コンチェルト」とマーラーの1番を聴いていたく感動いたしましたので、是非購入したいと思います。と言うより、既にアマゾンで予約を受け付けていましたので、予約いたしました。価格は3700円とお買い得です。NHKで東京公演初日のライブを放送したので録画致しましたが、アルゲリッチ・カプソン兄弟の「トリプル・コンチェルト」は入っていなかったので、この DVD とても楽しみです!あの感動をもう一度!(ちなみに上の写真は、ドゥダメル指揮シモン・ン・ボリバル・ユースオーケストラのマーラー5番、ドゥダメル直筆サイン入り(!) CDです。参りましたか?)

ミッフィー

以前も書きましたが、H氏はディック・ブルーナが好きです。とりわけ、ミッフィーちゃんグッズを沢山持っています。Miffy は英語に翻訳された際に付けられた名前で、(日本では「うさこちゃん」)本来の名前は、オランダ名 Nijntje (ナインチェ)です。1955年生まれですからもう今年で54歳になられます。容貌も55年当初から変遷がありました。H氏が好きなのは63年版。これが一番かわゆく感じられます。
 以前「文の日」の記念切手が何年か続けてブルーナの絵だったことがあります。その頃は毎年何シートも買って、1年分の書簡に使っておりました。現在も1シートずつ残しています。ちなみに、H氏は携帯電話やメールも使いますが、結構筆まめで葉書・手紙もよく書きます。京都に行くと「鳩居堂」やら「便利堂」やらで葉書や便箋を買ってきたり、美術館のミュージアムショップでポストカードを買ったりします。

2009年3月11日水曜日

「新編 日本のフェミニズム」(岩波書店)とジュリア・クリステヴァの本

岩波書店から出ている「新編 日本のフェミニズム」(写真左)を買い始めました。第一回配本は「ジェンダーと教育」です。H氏は生粋のフェミニストなので、フェミニズム関係の本はよく買います。理論的な本では、ジュリア・クリステヴァの本が好きです。Powers of Horror に出てくる "Abjection" と言う概念は大変興味深いものです。(法政大学出版局ウニベルシタス叢書から「恐怖の権力」と言うタイトルで翻訳も出ています。)また、Revolution in Poetic Language では、ラカンの心理学を用い、前エディプス期に生成される言語に就いて考察し、ヴァージニア・ウルフの文体などに援用しています。クリステヴァの本は少々難解ですが、苦労をしてでも読む価値はあると思います。
 日本も、少なくとも政治家の半分位を女性が占めるようにならないといけませんね。

2009年3月10日火曜日

ラファウ・ブレハッチ:「ショパンコンクールライブ」とドゥダメル:「ローマ法王バースデイコンサートライブ」

H氏お薦めの DVD を2枚。左側は、ラファウ・ブレハッチのショパンコンクールライブのⅡ、ピアノコンチェルト1番とピアノソナタ3番が入っています。どちらもH氏の好きな曲です。ピアノソナタは一昨年コンサートに行った時にも聴きました。大変結構な演奏でした。H氏はただ好きだと言うだけで、音楽は専門ではないので、偉そうに批評とかしても殆ど眉唾物です。でも、それなりの好み・感想があるので、書かせて戴いています。
 例えば、先日取り上げたグレン・グールドなどは極めて個性的で、どこで聴いても直ぐにグレン・グールドだと分かります。それに対してブレハッチは、技術的には極めて優れていますが、演奏自体は奇を衒うことのないオーソドックスな演奏です。一つ一つの音が丁寧に弾かれていてとても好感が持てます。オーソドックスでありながら、やはりこれはブレハッチだと分かる演奏です。
 ドゥダメルの方は、ヒラリー・ハーン(この人独特の雰囲気を持っていますよね)のソロ、シュトゥットガルト放送交響楽団で、モーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲3番」とドヴォルザークの「新世界より」をやっていますが、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラとの演奏とはまた違って、とてもいい演奏になっています。
 CD で聴くのもいいのですが、DVD で映像を見ながら聴くのは楽しいですよね。この2枚お薦めです。

2009年3月9日月曜日

福岡教育大学管弦楽団のコンサート(「死の舞踏」「ラフマニノフ・ピアノコンチェルト2番」「ブラームス交響曲2番」)に行って参りました



H氏は週末福岡までコンサートに行って参りました。コンサートと言っても、「福岡教育大学管弦楽団第39回定期演奏会」と言う地味な(失礼?)コンサートです。H氏は福岡教育大学に知り合いがいて、その方からチケットをあげるから来ないかというお誘いがあって、行って参りました。曲は、サンサーンスの交響詩「死の舞踏」、ラフマニノフの「ピアノコンチェルト2番」、ブラームスの「交響曲2番」です。このプログラム、少々「のだめ」っぽいのですが、ラフマニノフもブラームスもH氏のお気に入りなので楽しく聴かせて戴きました。福岡教育大学には芸術課程があってそこの学生さんを中心に編成されたオーケストラです。指揮者には時任康文を迎え、アクロスのシンフォニーホールであったのですが、中々本格的です。お客さんも沢山入っていました。
 当初、ラフマニノフのピアノは、先生の吉田眞理さんが弾く予定でしたが、体調を崩されたと言うことで急遽変更され、佐藤彦大さんと言う東京音楽大学の学生さんがピアノを弾かれました。H氏としてはちょっと残念でしたが、佐藤さんも頑張って弾かれていました。
 うるさいことを言うと少々難もあったのですが、全体的には充分楽しめたし、音もまずまずだったのでよかったです。帰宅して日曜日にN響アワーで、NHK交響楽団と上原彩子がプロコフィエフのピアノコンチェルトを演奏するのを聴きましたが、こちらと比べると少しレベルが違うなと感じてしまうのはやむをえないところです。でも皆さん頑張っておられ、ちょっと感動ものでよかったですよ。これからも精進していい演奏をお聴かせ下さい。Hも陰ながら応援させて戴きます。また行きますよ。
 3月7日(土)の昼過ぎに福岡に着き、お昼は「リバレイン」に入っているフレンチレストラン「ひらまつ」で昼食を戴こうと思ったのですが、予約を取っていなかったので案の定満席。そこで、近くにある「季楽」(きら)と言うJA(?)がやっている産地直送佐賀牛を戴けるお店に行ってしゃぶしゃぶを戴きました。焼いて食べたらちょっとしつこいと思われるような霜の降ったお肉でしたが、しゃぶしゃぶで戴くと柔らかくてとても美味しかったです。その後ヤマハに立ち寄り譜面を買ってからホテルにチェックインし、少し休憩してからコンサートに行きました。ちなみに、H、最近よく譜面を買います。
 宿泊は西鉄グランドホテルに致しました。その他、H氏がこれまで福岡で宿泊したことのあるホテルは、グランドハイアット、ホテルオークラですが、この西鉄グランドホテルも中々いいですよ。でも、お風呂がまずまず広くはありましたが、ユニットバスだったので、そこはちょっと・・・。前にも書きましたが、H氏はユニットバスが嫌いで、お風呂とトイレが別で、シャワーブースが付いているお風呂のあるホテルを好んでおります。でも今回は近いと言うこともあってここに致しました。一昨年くらいにラファウ・ブレハッチのコンサートに来たときもこのホテルを利用致しました。ホテルオークラではコーナースイートに泊まりましたが、お風呂から夜景が眺められてとてもよかったです。(こんなことを書いているとH氏はお金持ちなのではないかと言う誤解を招くかも知れませんので言っておきますが、そのようなことは決してございません。ただ、ホテルは、狭いのと、ユニットバスが嫌なので、ちょっとよいホテルに泊まります。普段の生活は極めて質素で、たばこもお酒も嗜まないので、お金を遣うのは、本代と音楽関係の出費と、温泉旅行と時折美味しいものを戴くくらいなものです。)
 翌日のお昼はH氏が博多に行くとよく立ち寄る「たつみ寿司」にて、お寿司を戴きました。上の写真です。ここのお寿司はむらさきを付けずに戴くのですが、ネタが新鮮で中々美味しいです。
 ともかく中々よいコンサートでしたので、これからは地元の音大の演奏会とかにも行ってみようかなと言う気持ちになりました。と言う訳で、H、楽しく充実した週末を過ごしました。

2009年3月6日金曜日

「めぐりあう時間たち」とヴァージニア・ウルフの Mrs Dalloway

「めぐりあう時間たち」("The Hours")はマイケル・カニンガムの小説をスティーブン・ダルドリーが映画化し、ニコール・キッドマンが2003年アカデミー賞、最優秀主演女優賞を受賞した作品です。H氏は京都で友人と見に行きました。この映画はヴァージニア・ウルフの Mrs Dalloway を核にして、作者ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン:1923年ロンドン)、読者ローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア:1951年ロサンゼルス)、登場人物クラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ:2001年:ニューヨーク)のそれぞれ問題を抱える3人の女性の生き様を描いています。
 ヴァージニア・ウルフは精神の病を抱え療養のため田舎に引き込んで Mrs Dalloway の草稿を執筆しています。(この作品はもともと The Hours というタイトルでウルフの日記に現れ、後にMrs Dalloway に変更されます。)
 ローラ・ブラウンは優しい夫と息子を持つ家庭の主婦で、一見幸せな生活を送っているように見えますが、自殺を試み失敗し、夫と息子を残して家を出ます。この息子リチャードは後にクラリッサ・ヴォーンの元恋人として登場します。
 クラリッサ・ヴォーンは嘗てリチャードと付き合っていましたが、リチャードはホモセクシュアルで別れますが、今も友人としてエイズにかかり、余命幾ばくもないリチャードの面倒を見ています。クラリッサはその名前からダロウェイ夫人と言う渾名が付けられています。(ちなみにリチャードと言う名前はクラリッサ・ダロウェイの夫の名前です。)また彼女はレズビアンでサリーと言う女性と同居しています。(Mrs Dalloway の中でもクラリッサは若い頃サリー・シートンと言う女性とレズビアン的な関係にありました。)リチャードは詩人で、賞を受賞し、この日クラリッサは受賞パーティーを開こうとしていますが、リチャードは自殺してしまいます。(場面はクラリッサが花屋にパーティー用の花を買いに行くところから始まるなど、Mrs Dalloway と様々な箇所で対応しています。)
 Mrs Dalloway には、過去(記憶)と現在、心の内部に流れる時間(意識)と外部の時間(日常的な時間)とが描かれます。一方「めぐりあう時間たち」では、20世紀初頭、半ば、そして21世紀初頭という3つの時間の中で、それぞれ異なった問題を抱えながら、Mrs Dalloway と言う作品を通して共鳴し合う女性たちが描かれます。
 長くなってしまったのでそろそろやめておきますが、いずれの作品も読み応え、見応えのある作品になっています。Mrs Dalloway は自由間接話法を用いた独自の詩的文体で書かれ、原書で読む方が面白いのですが、英語自体が可成り難しいので読むのに苦労するかも知れません。翻訳では丹治愛氏が訳している集英社文庫版の「ダロウェイ夫人」がいいと思います。是非お読みになってください。

2009年3月5日木曜日

古井由吉の「漱石の漢詩を読む」


古井由吉の「漱石の漢詩を読む」を購入致しました。夏目漱石は元々漢学を好み、1881年には二松学舎に入学し漢学を学びます。しかし、その後漢学をやめ、大学予備門受験のため成立学舎に移り、英語の勉強を始めます。その後漱石は帝国大学英文科を経て、1900年から2年間英国に留学します。漱石が漢学を好みながら英文学を志すようになったのは、エリートとして、当時欧化政策をとっていた国家に有用な人材にならねばならぬと言う意識が働いていたからです。しかし漱石は帝国大学英文科教授就任依頼を断り、朝日新聞に入社し小説家の道を選択します。
 20世紀初頭、英文学はヘンリー・ジェイムズの心理小説、その後の「意識の流れ」を描くモダニズム小説等、人間の内部を描く小説が主流となっていました。英文学のテーマは、人と人との関係を描く「空間」から、自我の内部を描く「時間」へとシフトします。漱石の小説、とりわけ、第二の三部作(「彼岸過迄」「行人」「こころ」)では、この自我の問題が主要なテーマとなっていますが、それは当時の英文学の潮流と軌を一にしています。所謂「修善寺の大患」の後、第二の三部作は書かれるわけですが、丁度その頃、漱石は長年書いてこなかった漢詩をしきりと書くようになります。
 漢詩の世界とは「草枕」にあるように「非人情の世界」、言い換えれば、自我を超越した世界です。つまり、漱石はこの時期、「自我の世界」と「自我を超越した世界」という二つの相容れない世界を描いていると言うことになります。
 ここには、自分の趣味・好みと社会の要請、日本の伝統的な文化と西洋の文化と言った二つの世界に引き裂かれた明治と言う時代に生きた知識人の葛藤を見ることが出来ます。
 そのような意味で、余り一般的には読まれることも評価されることもなかった漱石の漢詩にもう少し注目してみる必要があるのではないかと思います。漱石の漢詩に関しては、吉川 幸次郎 の「漱石詩注」(岩波文庫)が有名でH氏も読んでいますが、今回この問題をもう一度じっくり考えたいと思い、この本を購入した次第です。

2009年3月4日水曜日

グレン・グールドの弾くブラームス


Pippi さん、コメント有り難うございました。不肖 H もブラームスが好きなので、グールドの弾くブラームスもよく聴きます。グールドなどを聴いていると、H もピアノが弾けたらいいのになー!などと思うのですが、ヴァイオリンだけでも手一杯でとてもピアノにまでは手が出せません。このブログで先日書いたクラシック同好会の部長さんはピアノをお弾きになります。バッハのパルティータなどを演奏なさるのを拝聴すると本当に羨ましくてなりません。H もヴァイオリンで対抗致しますぞ!ふんふん(鼻息)。
 このように地味で詰まらぬブログですが、よろしかったらまたお越し下さい。写真を入れようと思ったのでコメントではなく、ここに書きました。

グレン・グールドの「ゴールドベルグ変奏曲」

H氏がクラシック音楽をよく聴くようになったきっかけはグレン・グールドの「ゴールドベルグ変奏曲」(1981年版・写真上)でした。この曲を聴いてからすっかりグールド・ファンになり、クラシック音楽にのめり込んで行くことになります。未だにバッハが一番好きなのも、この最初の出会いもせいなのかも知れません。

 そういう出会いって結構大切なのだと思います。私は小さい頃から本を読むのが好きでしたが、小学生の4,5年の頃夏目漱石が好きになって、漱石の作品を次から次へと読むようになり、そのうち漱石全集を買ったりしたのが、文学の世界にのめり込むきっかけになっているような気がします。

 そう言う訳でグールドの「ゴールドベルグ変奏曲」はH氏にとっては取り分け大切な曲なのです。後に聴いた55年版(写真下)もいいし、他にも色々なピアニストの演奏を聴きましたが、上述したような経緯もあるせいか、H氏はグールドの81年版ゴールドベルグ変奏曲が、深みがあり一番好きです。皆さんにもそんな曲があるのではないでしょうか?

2009年3月3日火曜日

エルマンノ・オルミ:木靴の樹


お雛様おめでとうございます。(?)今日は1月23日エントリーの「H氏の好きな映画」でも、最も好きな映画の一つとして挙げたエルマンノ・オルミ監督の「木靴の樹」のことをちょっとお話ししましょう。この作品は1978年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞を受賞しました。
 この映画はドラマティックな粉飾を一切排し、19世紀末、北イタリア、ベルガモの極貧の小作農の生活を3時間にわたり淡々と綴った映画です。
 バティスティー一家は他の数家族と一緒に小作人として働いています。息子ミネクは頭がよく、教区の司祭に小学校に通わせるように奨められ、無理をして通わせることにしますが、ある日ミネクの木靴が割れてしまいます。父親は川縁に生えるポプラの樹を切って、息子に木靴を作ってやります。しかし、樹が切られていることを知った地主は犯人を捜索し、やがてバティスティー一家は樹を切った廉で追放されます。これがこの映画のメイン・ストーリーを成します。
 しかし、この映画、ストーリーは余り問題ではありません。夫を失い、近所の人たちの洗濯を請け負い、川で朝から晩まで洗濯をし続ける女性と家計を助けるため粉碾きの職を求める息子。同じ紡績工場で働く男と結婚し、叔母が修道院長を勤める修道院から孤児を貰って来る女性。極貧の中で必死に生きる小作農の生活があくまでも淡々と展開して行きます。
 この映画は、贅沢三昧の暮らしを送る地主と極貧の小作農とを対比することによって、痛烈な社会批判になっていると言うのも事実です。しかし、それだけでこの映画を括ることは出来ません。四季の移ろいの中で繰り広げられる貧しい小作農の生活そのものが見るものの心に何かを訴えかけてきます。
 H氏は文学も前衛的・実験的な作品を好みますが、映画の趣味に関してもそのような傾向があります。この映画にはそのような所はありませんが、映像によって農民たちの生活を淡々と描写する表現は映画独自のものであり、その意味でこの作品は極めて優れていると言えるのではないでしょうか。是非ごらんになってください。

2009年3月2日月曜日

カラヤン・ベルリンフィル:ブラームス交響曲

カラヤン・ベルリンフィルのブラームス交響曲集を購入いたしました。今度行くコンサートでブラームスの二番が演奏されるのですが、何故か手元にいいのがなかったので買いました。ブラームスの交響曲は低音から積み上げられた厚みのあるストリングスの和音が好きでよく聴くのですが、二番だけは余り聴いていなかったので、コンサートの予習のためこれから毎日聴くつもりです。カラヤンは余り好きではないのですが、この機会にじっくり聴いてみようと思います。
 三番はジョージ・セルとクリーブランド、四番はベームとウィーンフィルの演奏が好きです。このアルバムはブラームス交響曲全4曲2枚で2000円少々とお買い得になっています。