2012年3月31日土曜日

「バッハ大先生の誕生日」と「ドイツの脱原発」そしてバッハ「マタイ受難曲」

日の昼食は「チョリソーロール」「生チョココロネ」です。


デザートはまたです。

 今週私が聴いた音楽はバッハが多かったことにお気づきだと思います。実は今週はバッハ週間でした。それと言うのも本日がバッハ大先生の327回目のお誕生にだからです。


おめでとうございます!

 バッハ大先生の生まれたドイツでは、ご存じのように脱原発が進められています。ドイツでは社会民主党と緑の党の連立政権時にシュレーダー首相の下、脱原発に踏み切りましたが、メルケル・キリスト教民主同盟政権になると再び原発推進に方向転換致しました。しかし、福島第一原発事故後、選挙で緑の党が躍進、キリスト教民主同盟が大敗したこともあり、2020年迄に原発を全廃することとなりました。極めて合理的な判断だと思います。
 一方、当事国の日本はどうでしょう。ベントが出来ていなかったら東日本はおろか日本全土が人の住めない場所になって仕舞いかねなかったような大事故を経験しながら、未だに原発を推進しようとしています。しかも、日本は明らかに地震の活動期に入っていて何時何処で大地震が起きないとも限らない状況の中で原発を稼働させようとしているのです。常軌を逸しているとしかいいようがありません。

愚かにも程があります!

その上、嘘と誤魔化しにまみれた現在の体制のまま行おうとしているのです。市民の生命や生活を何と思っているのでしょうか!
 最近、ドイツの国営テレヴィZDFが放送した「フクシマの嘘」がネット上に後悔され話題になっています。(YouTube でも字幕付で見られますので是非観て下さい。) マスコミも日本国内よりヨーロッパの方がこの事故を真摯に取り上げています。私は余りテレヴィを見ませんが、ネット上で調べてみると、未だに原発は安全だとか、放射能は危険ではないとか言っている番組が沢山あります。信じがたいことです。前「原理力技術協会」の理事長石川迪夫などは、NHK で放送された「原発解体」と言う番組を批判し、原発は安全だなどと言っていますけれど、ご自分の責任をどう考えているのか人格を疑いたくなります。それを放送する放送局ですし、「なるほど」などと言って追従するアナウンサーも酷いものです。吐き気が致しました。
 ドイツでは原発に反対する人たちは、デモンストレーションをしたり、また、緑の党や社会民主党に投票することによって態度を表明していますが、日本の場合、自民党はもちろん、民主党も内部に原発推進と脱原発派があり、脱原発派である菅首相は辞任を余儀なくされ、原発再稼働へ向かおうとしています。社民党や共産党は広い支持を集められず発言力が弱いし、かと言って、橋下徹率いる「維新の会」が次期総選挙で候補者を擁立しそうですが、私には到底支持することは出来ません。自民党よりも保守的であり、アメリカの新保守主義に近い党が勢力を拡大したら大変なことになりそうです。また、それ以前に本当に脱原発なのか疑わしく思っています。橋下徹は或る意味デマゴーグであり、選挙に勝つために「脱原発」を掲げているに過ぎないと疑って仕舞います。
 中沢新一氏などを中心に「グリーン・アクティヴ」が結成されましたが、候補者を擁立しドイツの「緑の党」のような存在になってくれるといいのですけれど、日本では一般の人が選挙に出にくい制度になっておりますので、それもなかなか難しいかも知れません。
 私たちには選択肢が余りありませんけれど、少なくとも一人一人がしっかりと政治の動きを監視し、それぞれの立場で脱原発を主張して行かなければならないと思っています。

 本日のお昼の音楽はバッハ大先生のご冥福をお祈りしつつ、またバッハ「マタイ受難曲」を聴いております。


それでは一部を貼っておきます。





2012年3月30日金曜日

「サンドウィッチ」と「神戸に住む小ぐま」と『齋藤美奈子」そしてバッハ「フランス組曲」

日の昼食は「サンドウィッチ」です。


「苺」も買ったのですが、前のが少し残っていました。失敗。

 ケーニッヒス・クローネの「神戸に住んでいる小ぐま」を戴きました。神戸は山の上の方に行くとイノシシが出没致します。本当に小ぐまも住んでいるのかも知れません。このサブレ、さくさくしていてなかなか美味しいんですよ。

 午前中に「美容院」に行って参りました。今のうちに行っておかないと新学期が始まったら行けなくなりますからね。ちょっと短くし過ぎたかも知れません。私は短くするとちょっと幼く見えて仕舞うので困ります。昨日予約をしておいたのですけれど、今日は何時になく混んでいて忙しそうでした。これから入学式などのシーズンだからでしょうか。私の所も5日が入学式です。

 朝日新聞の「書評」は齋藤美奈子さんが書いていらっしゃいましたが、担当が変わるとのことです。私は齋藤美奈子さんのファンですからちょっと寂しいです。女性の文芸評論家は余りいないので貴重な存在です。原発に関するアンケートでも反対する割合は女性の方がずっと高くなっています。はっきり申し上げげて、全体的に言えば、男性よりも女性の方が見識があるのではないかと思っています。。齋藤さんの書くものを読んでいてもそう思います。齋藤さん、最後の書評で橋下徹は文学や文芸誌と言ったものは真っ先に切り捨てるのでしょうねと仰っていましたけれど、そうなのでしょうね。オーケストラの補助金も打ち切られましたし!そんなものは全く無駄で、この競争社会からは抹殺されるべきものなのでしょう。私など、「文学」を研究している「学者」なのですから、それこそ社会のクズと言ったところでしょうか。嬉しい!

 本日のお昼の音楽はバッハ「フランス組曲」です。またバッハ!


本日はシフで聴いております。それでは全曲を。一時間以上ある曲ですけれど暗譜されているのですよね!

2012年3月29日木曜日

「おはぎ」と「電力需給」そして再びエレーヌ・グリモー「バッハ」

日の昼食は「炊き込みご飯」「おはぎ」です。


「お稲荷さん」を買おうと思っていたのですけれど、なかったので「炊き込みご飯」に致しました。

 先日東京電力は今夏の電力需給の見通し発表致しました。それによると供給は5700万~5800万ワット、一昨年のピーク時には5999万ワットを記録したので足りなくなると言っています。しかし、一昨年は猛暑でしたし、昨年は節電のおかげで使用電力はピーク時でも4000万ワット台でした。しかも、東電は詳細なデータを提供しようとしませんが、ピーク時と言うのは一年間で5時間程度だと言うことです。一時的にちょっと節電すれば問題なく乗り切れる筈です。東電は事故後も需要見込みを、実態とはかけ離れた計算によって大きく見せようとしてきました。また、昨年の計画停電は実際には全く必要はありませんでした。ただ、脅しのためにやったとしか思えません。脅したり、騙したりしながら、何とか原発を再稼働しようとしています。私たちは決して騙されてはいけません。節電を心懸ければそれだけで原発は一基たりとも必要ありません。節電だけで原発を止めましょう。そして、送電分離を求め、電力の自由化を促し、再生可能エネルギーの開発を促進するように求めましょう。
 ドイツが脱原発に踏み切ったのは、もちろん原発の危険性を認識したからですが、そればかりではありません。ドイツは、いずれ世界が再生可能エネルギーへと向かわざるを得ないことを見越し、再生可能エネルギーの開発を世界に先駆けて行うことで、将来の経済発展も視野に入れています。経済的に考えても、廃炉や核廃棄物の処理に厖大な費用のかかる原発より、そちらの方がずっと将来性があります。また、太陽光や風力を使えば、世界的な経済格差もなくなって行きます。現在は先進国でウランも含めた石化燃料の殆どを消費しています。再生可能エネルギーならば、施設さへ作れば石化燃料を輸入できない貧しい国でも電力を確保出来ます。今こそ、目先のことのみに囚われず将来をも見越して再生可能エネルギーへの転換を目指すべき時なのではないでしょうか。
 東電は先日1兆円の資本注入と8500億円の賠償費用を申請しました。全て私たちの税金です。それでいて体質改善・経営合理化も行っていません。そして私たちを騙して原発を再稼働させようとしているのです。原発をこのまま続ければ近い将来必ず大事故が起こります。そのことをしっかり胸に刻んでおきましょう。

 本日のお昼の音楽はまたエレーヌ・グリモーバッハを聴いています。


何度も聴きましたが、お気に入りの1枚になりそうです。先日も貼りましたがこのアルバムからバッハ「ピアノ協奏曲第1番」を貼っておきます。





2012年3月28日水曜日

「ミスター・ドーバッツ」と「原発」そしてエレーヌ・グリモー「バッハvsバッハ・トランスクライブド」

日の昼食はミスター・トーナッツの「オールドファッション」「ポムデリング」です。


これだけでは如何なものかと考え「くるみパン」も1個買いました。

 昨日と一昨日、福島第一原発2号機の内部に内視鏡が入れられ格納容器内の調査が行われました。水位は予想よりずっと低い60センチで温度は50度程度だと言うことです。溶融した核燃料は確認されませんでした。東京電力は水位は60センチしかないが、その水で冷却されていると言っています。このデータから見る限り、私は溶融した核燃料の殆どは既に格納容器の底を突き破りその下に出て仕舞っているのだと推測しています。
 昨日の検査では内部の放射線量は73シーベルトとのことです。凄まじい放射線量です。7万3000ミリシーベルト、つまり、日本人が許容されている1年間の放射線許容量の7万5000倍の放射線を1時間で被曝する量になります。もちろん、人間が近づけば即死します。精密機械も近づければ作動しない程の放射線量です。これを一体どう処理するのでしょうか?もちろん人類が経験したことのない事態ですし、処理技術もありません。これから、技術を開発し何とか撤去できるのには恐らく50年以上かかります。そしてその間に溜まる膨大な量の高濃度汚染水は一体どうするつもりなのでしょうか?前途多難です。

 本を注文するついでにエレーヌ・グリモー「「バッハvsバッハ・トランスクライブド」を買って仕舞いました。


平均律クラヴィーアから数曲、ピアノ協奏曲第1番、そして無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番・シャコンヌをピアノ用に編曲したものなど、幾つか編曲した曲が入っています。
 バッハの曲には楽器が指定されていない曲も数多くありますし、例えば、ヴァイオリン協奏曲第1番はピアノ協奏曲第7番としても演奏されます。
 以前にも何度かご紹介していますけれど、ジャニーヌ・ヤンセンもインヴェンションを2声をヴァイオリンとチェロ、3声にはヴィオラを加えて演奏しています。


私もインヴェンションなどをヴァイオリンで弾いて愉しんでいます。バッハの音楽はそう言う楽しみ方も出来ますね。

 明日29日13:00からBSプレミアムで私の好きなタルコフスキー監督最後の作品「サクリファイス」が放送されます。以前にもご紹介致しましたが、とてもいい映画です。是非ご覧になって下さい。

 本日は、エレーヌ・グリモーの演奏でバッハ「シャコンヌ」を貼っておきます。なかなかいいでしょう?

2012年3月27日火曜日

「ポテマヨ」と「読書会」と「ケーキ」そしてバッハ「ゴールドベルク変奏曲」

日の昼食は「ポテマヨ」です。


デザートはです。

 本日は午前中に「読書会」がありました。例によって「ケーキ」を戴きました。


読書会を始める際に時折間違って戴きますと言って仕舞います。
 今回の読書会は芥川賞を受賞した2作品、田中慎弥「共喰い」円城塔「道化師の蝶」を読みました。両作品が載った「文藝春秋」で読みました。このようなスノビッシュな雑誌は芥川賞の発表の時しか買ったことはございません。
 私は「共喰い」のような作品は好みません。文章などには見るべき所もあるのだと思いますけれど、旧態然とした私小説的な小説は余り面白く感じられません。また、女性に暴力を振るう男性の心性は私には全く理解出来ません。
 「道化師の蝶」は面白くは読みましたが、知的に閉鎖された空間で書かれていると言う感じがします。つまり、外的な世界との繋がりが乏しいような気がするのです。
 でも、両者を並べて見ると面白いですね。性質が180度異なる作品です。一方はドロドロした人間の生活を描き、他方はそう言ったものとはかけ離れた抽象的な概念を扱っています。

 本日のお昼の音楽は、ふと聴きたくなり、バッハ「ゴールドベルク変奏曲」に致しました。


それではグールドの演奏でお聴き下さい。







2012年3月26日月曜日

KFC「海老カツサンド」と「原発」そしてショスタコーヴィッチ「ヴァイオリン協奏曲」

日の昼食はケンタッキー・フライドチキン「ゴーダチーズの海老カツサンド」です。


 今日も原発再稼働の問題について書いておきたいと思います。政府はストレステストの結果だけで2次評価をすることなく原発を再稼働させようとしていますが、先日も書きましたように、とんでもないことです。ストレステストとは一定の数値を入れ、コンピュータでシミュレーションするだけのものです。 それに対し、2次評価は、過酷事故が起きた場合に原発が放射能を放出することなく耐えられるかを判断する評価です。福島第一原発の事故を見れば、如何にそれに対する備えが出来ていなかったかが露呈しました。そのような実情を考慮に入れることなく再稼働すると言うのですから神経を疑いたくなります。
 一例だけあげますと、1号炉では格納容器の圧力が設計基準の2倍近くになり、すんでの所で爆発をするところまで行きました。ご存じのように結局はベントが成功し格納容器の爆発には至りませんでしたが、それは幸運だったからに他なりません。まず、ベントをするためには弁を2箇所開かなければなりません。決死隊を結成し、一つ目の弁は何とか開くことが出来ました。(作業員は109ミリシーベルトの被曝をしました。)しかし、作業員が二つ目の地下にある弁を開きに行ったところ、放射線レベルが高すぎて近づけませんでした。最後は、外からコンプレッサーで圧搾空気を送り込みようやく弁を開くことが出来ました。
 しかし、問題は幾つもあります。まず、アメリカやヨーロッパではベントの出口にフィルターが取り付けられ、ベントしても格納容器内の高濃度放射性物質が環境に出ないようになっていますが、日本ではフィルターすら設置されて折らず、高濃度の放射性物質がそのまま環境に放出されて仕舞いました。また、スリーマイルズでの事故後、ベントラインを補強する必要が認められ、アメリカでもヨーロッパでも独立したベントラインが法律で設置されましたが、日本では電力会社の判断にまかされ、結局、それまでの配管にバイパスを通す形で工事が行われました。その結果、格納容器内に溜まった水素が原子炉建屋内に逆流し水素爆発を引き起こしました。また、弁もヨーロッパなどでは電源が止まった場合でも、遠隔操作により遠くから手動で弁を開くことが出来るように設計されていますが、日本ではそうなっていません。
 日本では、ベントをすること自体想定されておらず、形だけベントラインを作り、弁を開くマニュアルすら用意されず、訓練もしていませんでした。
 再稼働の前に2次評価を行わないと言うことはベントラインも従来のままでいいと言うことです。これは一例に過ぎませんけれど、今回の事故で様々な問題が浮かび上がって来たにも関わらずそれを無視して再稼働しようとしていると言うことです。無責任にも程があります。

 本日のお昼の音楽はショスタコーヴィッチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」です。


ヒラリーの演奏を貼っておきます。









2012年3月25日日曜日

「チョリソーロール」と「花」そしてウォルトン「ヴァイオリン協奏曲」

日は予告もなくお休みし失礼致しました。謝恩会があり、その後も学生にお付き合いしたら遅くなり、大学に出てくるのが辛くなりました。

 本日の昼食は「チョリソーロール」「あんパン」です。


デザートはまたです。

 謝恩会で花束を戴きました。


家に帰って早速活けました。沢山あったので窓辺と玄関、2箇所に飾りました。



今自宅はユリの濃厚な香りに溢れております。
 その他カードやらハンカチやらミッフィーちゃんのキーホルダーやら細々としたものを色々戴きました。また折を見てご紹介したいと思います。皆元気に充実した生活を送って欲しいと切に願います。

 本日のお昼の音楽はウォルトン「ヴァイオリン協奏曲」です。


本日は五嶋みどりさんの演奏で第1楽章と第3楽章を貼っておきます。



2012年3月23日金曜日

「雨の卒業式」と「フレンチ」そしてモーツァルト「ヴァイオリンソナタ」

日は卒業式でした。生憎朝から雨です。学生がちょっと可哀相です。

 立派な木製のチェストに入ったお紅茶を戴きました。


メインはお紅茶なのかチェストなのか分かりませんけれど、チェストは小物入れに使わせて戴きます。

 一年はあっと言う間です。こうして毎年卒業生を送り出しているうちに私も一年一年歳を取って行くのですね。

 卒業式の終了後ゼミ生とホテルのレストランでフレンチを戴きました。メインディッシュは牛頬肉のワイン煮込みでした。さほどお高いコースではありませんが、美味しく戴きました。私としたことがカメラを持って行くのを忘れ、お写真を撮り損ないました。失敗!

 今晩は謝恩会があります。昨年はゼミ生に泣かれて私も少しウルウルして仕舞いました。今年のゼミ生は気が強そうな子が多いので多分大丈夫だと思います。謝恩会の模様はまたご報告致します。

 本日の音楽はモーツァルト「ヴァイオリンソナタ」です。本日はムターの演奏を聴いています。


本日は第28番 K.380 を貼っておきます。





2012年3月22日木曜日

「肉うどん」と「電力会社」そしてプロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲」

日の昼食はセブンイレブンの「肉うどん」で済ませました。


「よもぎ大福」も買って参りました。

 取り分け福島第一原発の事故以来、東電を初めとする電力会社のやり方には目に余るものがあります。腹が立ってなりません。昨日も東電が、契約期間内なら値上げを拒否出来ることを隠して、値上げを通達していたことが発覚致しました。大体、そう安易に値上げなどしていいとも思えません。これだけの事故を起こして巨額の税金まで注ぎ込んだのですから、当然会社更生法を適用し徹底的に経営体質を改善すべきところですが、それさえすることなく、これまで通り全てを消費者に転嫁しようとするなど、到底許されるべきことではありません。
 東電ばかりでなく、これまでの安全基準・チェックが全く機能していなかったことが明確になっても、自社の利益のため、電力が足りなくなると脅して原発を再稼働させようとしている電力会社にはほとほと呆れます。電力会社の出している需要予測は明らかに意図的に過大評価されています。それに、電力不足と言ってもピーク時のことに過ぎません。様々な対策を講じることも出来る筈です。しかも、今回の事故で被害を受ける地域が広い範囲に及ぶことが分かり、警戒区域が10キロから30キロ圏内に広げられたのにも拘わらず、交付金をばらまいている立地市町村と県のみの了解を取ればいいと言う姿勢を崩していません。
 ともかく、現在のような国に守られた独占体制を一刻も早く止め、発送電を分離するなどして体質を改めて欲しいと思います。取り分け、これほどの事故を起こしても尚体質を改めようとしない東電の無責任ぶりには腹が立ってなりません。

 明日は卒業式です。天気予報では雨になっています。学生が可哀相です。私はスーツで来ようと思っていますけれど、それでも鬱陶しくて嫌です。何とかお天気がもってくれるといいのですけれど。

 本日のお昼の音楽はユリア・フィッシャー 'Russian Concertos' です。


本日も私の好きなプロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」を貼っておきます。





2012年3月21日水曜日

「コロッケバンズ」と「マルセル」と「原発」そしてラフマニノフ「ピアノ協奏曲」

日の昼食は「コロッケバンズ」「生チョココロネ」です。


喉飴が切れたので「キシリクリスタル・ピーチミント」を買っておきました。

 高樹のぶ子「マルセル」を読み終えました。


主人公は新聞社の文化部に勤務する36歳の独身女性、瀬川千晶です。父親も新聞記者ですが、母親はいません。父親に母親のことを聞いても、死んだとしか答えず何も教えてくれません。父親は既に時効となったマルセル盗難事件を追い続け、肝臓癌で亡くなった後、主人公千晶は父の残した取材ノートを元にマルセル盗難事件を追います。その過程で彼女の母親の姿も浮かび上がって来ます。
 主要な舞台は、マルセルが盗まれた京都。そして、パリ、トゥールーズへと広がりを見せます。面白かった!これもお薦めの一冊です。

 野田総理が原発を再稼働させようとしていますけれど、余りにも酷い話です。3月末でなくなる保安院は大飯原発の再稼働を認め、福島第2原発についても、当初政府は廃炉にするとはっきり言っていたのにも拘わらず、東電の今後10年の運転管理方針を認可致しました。また、六カ所村の MOX 燃料処理についても密かにゴーサインを出しています。安全管理を怠るどころか、原発推進のため様々な不正を働いてきた保安院が何の資格があって安全審査を行えると言うのでしょうか。明らかに、なくなる前の駆け込み認可ですが、こんなことが許されるのでしょうか。野田総理も政治判断で再稼働をする旨仰っていますけれど、安全基準も出来ていないのに政治判断などされてはたまったものではありません。
 最近、中沢新一氏などを中心に「グリーンアクティヴ」と言う組織が発足致しました。私も参加しようかと考えています。何も行動を起こさずこのまま原発を進められたら死んでも死にきれません。

 本日のお昼の音楽はラフマニノフ「ピアノ協奏曲」です。


本日はまたエレーヌ・グリモーの演奏を貼っておきます。




2012年3月20日火曜日

「焼きそば」と「音楽の友」そしてバッハ「管弦楽組曲」

日の昼食は「焼きそば」です。


ちょっと似合いませんけれどデザートはまたです。

 「音楽の友」4月号が届きました。


特集は「デヴュー30周年!五嶋みどり」です。五嶋みどりさんのデヴュー11歳。スービン・メータ/ニューヨークフィルをバックにパガニーニ「ヴァイオリン協奏曲」第1番を演奏しました。昨年の演奏会は63回。世界中で活躍されています。私もコンサートで間近で演奏を聴いたことがありますが、最も印象深いコンサートの一つです。長い間には伝説のようになっているお話しもありますね。「タングルウッドの奇跡」もその一つです。タングルウッド音楽祭でレナード・バーンスタイン作曲のヴァイオリン協奏曲セレナーデを本人の指揮で演奏した時、演奏中二度にわたって弦が切れましたが、一度目は第一ヴァイオリン、二度目は第2ヴァイオリンの方と楽器を取り替えて最後まで演奏しました。五嶋さん14歳の時のことです。その模様が YouTube にありましたので、貼っておきます。



ヴァイオリンに直向きで、様々な社会活動もなさっている五嶋みどりさんは私の最も尊敬するヴァイオリニストです。またコンサートを聴きに行きたいと思います。

 本日のお昼の音楽はバッハ「管弦楽組曲」に致しました。


本日は第3番を貼っておきます。この中の 'Air' は有名な「G線上のアリア」です。

2012年3月19日月曜日

「おはぎ」と「野田ともうします。」と「エレヴェイターの鏡」そしてブラームス「ヴァイオリン協奏曲」

日の昼食は「くるみパン」「おはぎ」です。


「おはぎ」は昨日作ったものです。1日がかりで作りました。昨日幾つ戴いたかは秘密です。同僚の女性の先生に幾つかお裾分け致しました。初めて作った割には美味しく出来たと思います。「美味しく出来たので召し上がってみて下さい。」と言って、差し上げました。家にまだ2個残っていますので明日戴こうと思います。でも戴き過ぎて些か食傷気味かも・・・。
 「おはぎ」と「牡丹餅」との違いに関しては諸説ありますけれど、少なくとも季節で言えばこの時期のものは「牡丹餅」で秋が「あはぎ」だと思うのですが、私は少時より「おはぎ」と言う呼び名に慣れておりますので季節に拘わらず「おはぎ」と呼んでいます。

 「野田ともうします。」第4巻が出ました。13日に発売されたようですが、私としたことが見落としておりました。


早速買って参りました。後で読もうと思います。

 今日は引っ越しがあるらしくエレヴェイター内部に樹脂のカヴァーが貼ってありました。鏡の部分にもカヴァーがかかっていたので、事務局に行き業者に言って鏡の部分のカヴァーを外してもらうよう申し上げて参りました。これ迄も何度かこういうことがあり、その都度お願いしてきたことです。エレヴェイターの鏡は決して姿見ではございません。車椅子の方が前進で乗り、降りるとき後方を確認するために付いているものです。その鏡を覆われては車椅子の方が困られるのです。日本ではまだまだ障害のある方に対する配慮が十分ではなく、何故鏡が付いているのか知らない方もいらっしゃいます。もう少し意識を高めて戴きたいと思います。

 本日のお昼の音楽はブラームス「ヴァイオリン協奏曲」です。本日は、昨年末の樫本大進/ベルリン・バロック・ゾリステンのコンサートの際に会場で買った樫本大進君のCDを聴いております。


本日はユリア・フィッシャーの演奏を貼っておきます。








2012年3月17日土曜日

「チョリソーロール」と「おはぎ」と「居酒屋」そしてチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」

日の昼食は「チョリソーロール」「スコーン」です。


苺(あまおう)と食パンも買っておきました。先日、フルーチェを戴くのに買っておいた500mlのミルクが未だ残っているので今日はこのミルクで苺を戴こうと思っているのですけれど、賞味期限は昨日になっています。大丈夫か知らん?ゲリポンが直ったばかりなのに!

 今日は温かくなりました。カシュミアのコートを着てお買い物に出たら少し暑いくらいでした。春分の日も近いですからね。

 今年は「おはぎ」を自分で作ってみようと思います。理想のおはぎを求めて現在研究中です。小豆は丹波大納言を既に入手致しました。お砂糖はやはり和三盆を使ってみようかと思っています。問題は幾つ作るかと言うことです。一人暮らしですから、余り大量に作って全部戴いて仕舞ったら大変なことになりそうですし・・・。一定期間京都の老舗和菓子屋さんで修行が出来たらいいのですけれど、まず無理でしょうね。

 今晩は、組合の意見交換会兼懇親会があります。私は執行委員なので出なければなりません。場所はどうも「居酒屋」のような所みたいなので少々憂鬱です。以前にも申し上げましたが、私は「居酒屋」が大の苦手なのです。まず、お酒を飲まない。酔っぱらいが嫌い。煙草の煙が苦手。うるさいのが嫌。脂っぽいものも苦手。味が濃いものは駄目。それに小食。滅多に行くことはありませんが、行くと必ずすぐに帰りたくなります。

 本日のお昼の音楽はチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」です。本日はジャニーヌ・ヤンセンの演奏に致しました。


それではヤンセンの演奏でお聴き下さい。







2012年3月16日金曜日

「チーズケーキパイ」と「○○ポン」そしてモーツァルト「ヴァイオリン協奏曲第3番」

日の昼食は「チーズケーキパイ」「くるみパン」です。


焼き菓子を戴きました。それからデザートはまた「あまおう」です。

 余り綺麗なお話しではありませんし、私のイメージが崩れる心配もあるので、こんなお話しはしたくないのですが、します。
 昨日夕方あたりからゲリポンです。私はめったにゲリポンになることはないのですが、何年かに一度ひどいゲリポンになることがあります。例えば、2000年の8月6日、学生時代に実家が広島の友人宅に泊めてもらいヨーヨーマのコンサート(バッハ・無伴奏チェロ組曲)に行ったことがありますが、コンサート終了後、ヨーヨーマが平和公園、元安川のほとりでバッハを弾くと言うことでしたので、私たちも行って演奏を聴きました。その後急にお腹が痛くなり、友人にその旨話し、近くのホテルに行ってお化粧室をお借りしました。
 次は神戸に遊びに行った時のことです。その前日私が友人に便秘気味だと言うと、何やら怪しいものを出してきてこれを飲めと言います。アロエの粉末で便秘のよく効くとのことです。私はお薬が嫌いなものですから、いいと言って断ったのですが、友人がしつこく進めるので、「そう」とか言って飲みました。すると翌日神戸・南京街の近くで急にお腹の具合が悪くなりました。普通のゲリポンとも違う変な具合なのです。仕方ないので大丸に行ってお化粧室に入りました。
 それから、4~5年前、これも友人と嬉野温泉大正屋「椎葉山荘」に行った時のことです。お料理が多すぎたのですが、残すのが嫌なので出来るだけ戴きました。その後お部屋に帰ると急にお腹が痛くなりました。その時はもう温泉どころではなく、おトイレとベッドの往復で一夜を過ごしました。せっかくの温泉旅行が台なしになって仕舞いましたがけれど、今となってはいい思い出です。
 と言う訳で、昨夜は早めに帰宅し、お饂飩を半玉だけ戴き、お風呂でゆっくり身体を温めて寝ました。今朝はお粥さんを作って、縮緬山椒と梅干しで戴きました。その後お腹に違和感はあるものの、痛くはなっていないので大丈夫だと思います。でも、身体に力が入りません。やれやれ。それにしても、私の過去十数年のゲリポン遍歴などを書いて仕舞ってよいのでしょうか?

 少々汚いことを書いて仕舞いましたので、本日のお昼の音楽は美しいモーツァルト「ヴァイオリン協奏曲」に致しました。


本日はこのDVDから第3番を貼っておきます。





2012年3月15日木曜日

「高級仕出し弁当」と「会議」そしてバッハ「ヴァイオリン協奏曲」

日は朝から今まで会議の連続でした。
まず、午前中に私が審議会委員を務める公益法人の委員会。お昼には高級仕出し弁当が出ました。それからすぐに大学に戻り、続けて4つ会議がありました。苦手な会議がこれだけ続くと流石に疲れます。ヴァイオリンの練習だけしてさっさと帰って仕舞おうと思います。

そう言う訳で今日はこれだけ。
本日の音楽はバッハ「ヴァイオリン協奏曲」です。


本日は「ドッペル」の第1楽章、第3楽章を貼っておきます。


2012年3月14日水曜日

「柏餅」と「海月姫」と「高樹のぶ子・マルセル」そしてショパン「ピアノソナタ第3番」

日の昼食は「サンドウィッチ」です。


それから先日「おはぎ」を選択肢断念した「柏餅」も買って参りました。

 昨日は、採点業務が長引き遅くなって仕舞ったので更新が出来ませんでした。失礼致しました。取りあえず大変なお仕事が一つ終わりホッと致しました。

 昨日「海月姫」第9巻が発売されました。昨日は買いに行く時間がございませんでしたので、朝大学に来る途中で書店に立ち寄り買って参りました。


お昼休みに読んで仕舞いました・・・。
 ついでに、買おうと思っていた高樹のぶ子「マルセル」(毎日新聞社刊・1900円)も購入致しました。また絵画を扱った小説です。


ロートレックの「マルセル」は1968年に京都国立近代美術館で開かれていた「ロートレック展」で盗難にあいました。その後1976年に発見されましたが、事件の真相は解明されていません。


この小説はこの事件を扱っています。週末にでも読もうと思います。また読んだらご報告致します。

 本日のお昼の音楽はショパン「ピアノソナタ第3番」です。


本日はラファウ・ブレハッチ演奏を貼っておきます。ブレハッチのソナタ3番はコンサートでも聴いたことがあります。







2012年3月12日月曜日

「サンドウィッチ」と「入試」そしてバッハ「マタイ受難曲」

日の昼食は「サンドウィッチ」に致しました。


デザートはまた(あまおう)です。

 本日は後期日程入試です。幸い交通への影響は全くなかったようですけれど、朝方は雪がちらちら舞う寒い日となりました。後期日程を受験される方は大体前期日程に落ちた受験生です。皆さんによいお知らせが出来ればいいのですが、そうも参りません。せめて日頃の実力を発揮されることをお祈りするばかりです。明日はまた缶詰になって採点です。やれやれ。

 昨日はテレヴィの特集番組などを観たり音楽を聴いたり、本を読んだりしながら、自宅で静かに過ごしました。聴いていたのは主に宗教音楽です。「マタイ受難曲」「ミサ曲ロ短調」「モーツァルト・レクイエム」「フォーレ・レクイエム」等々です。
 これまでもお話しして来たことですが、原発は仮に事故の心配がなくても厖大な核生成物を出します。その核生成物は燃料となるウランの約1億倍の放射能を持っています。そして、もとのウランの放射能レヴェルに戻るのに約100万年かかります。人類の歴史が始まってから現在までの時間に匹敵する長さです。取りあえず、10万年管理すると言っていますが、人類の文明が始まってから6000年くらい。それより遙かに長い期間です。原発が稼働してから約60年。その間に厖大な核のゴミを作り出して仕舞いました。私には狂気としか思えません。将来の世代のことを考えれば、原発を推進する人たちは、利己的で無責任としか言いようがありません。

 本日のお昼の音楽も「マタイ受難曲」です。


祈りを籠めて、冒頭と最後それから "Erbarme dich, Mein Gott" を貼っておきます。





2012年3月10日土曜日

「チョリソーロール」と「あまおう」と「震災から1年」そしてショパン「エテュード」

日の昼食は「チョリソーロール」「スコーン」です。


食パンも買っておきました。それから「あまおう」がお安くなっておりました。498円。これで心置きなく買えます。

 明日で震災から1年になります。この1年は私にとっても心の痛む1年となりました。特に福島第一原発の事故は世界を変容させるほどの大きな事件でした。そして私が生きている間に収束する見込みもありません。
 あれだけ破局的な事故が起きて、これまでの原発行政の暗部がかなりの程度暴露され原発の危険性を思い知らされたのですから、流石に原発の廃絶に向かって世の中は進んで行くのだろうと思っておりましたが、必ずしもそうなってはおりません。水面下では自民党の政治家を中心に原発を再び推進しようと画策する動きがあります。そして、政府もどうやら再稼働させたいと思っているようです。
 悲惨な戦争を繰り返す人類のことですから、立ち止まって世界はどうあるべきなのかと熟考する英知など期待出来ないのかも知れません。日本に限っても第二次世界大戦の悲惨な体験をしながら、未だに戦前の価値観を引きずっている政治家が多いことを見ても、それは明かなことのようにも思えます。
 しかし、諦める訳には参りません。私たち一人一人がきちんと考えて世界を変えて行かなければ、悲惨な出来事は繰り返し、弱者が苦しまなければなりません。私も頑張らないと!

 先日「君のために弾くショパン」を読みましたので(?)、本日はポリーニの演奏でショパン「エテュード」を聴いております。


本日は小山実稚恵さんの演奏で No.10-3「別れの曲」No.12「革命」を貼っておきます。



2012年3月9日金曜日

KFC「チキンフィレサンド」と「フルーチェ」と「溶解文書」そしてモーツァルト「ピアノソナタ」

日の昼食はケンタッキー・フライドチキン「チキンフィレサンド」です。


デザートに先日買って参りました「フルーチェ(ミックスピーチ)」を作りました。4人分ですので沢山あります。食べ応えがありそうです・・・。
 子どもの頃は多くて妹と二人で半分ずつ、母が加わると三分の一、更に父が加わると四分の一で、少々物足りなく感じました。もう大人なのですからこの位戴いてもよいのでは・・・???入れるミルクはたった200ccですし・・・。
 「フルーチェ」って物心ついた頃にはもうありましたので、いつ頃発売されたか調べて見たところ、ハウス食品のホームーページに30年以上前に出来たと書いてありました。結構歴史がありますね。それから、一人分のフルーチェも発売されているそうです。今度探してみようか知らん。

 午前中に来年度のシラバスの入力を終え、午後は少し研究室のお掃除をしておこうと思っています。最近のシラバスは全ての授業の1回1回の内容まで書かなくてはならないので書くのがとても大変なのです。意味があるとは思えませんけれど。「溶解文書」の収集が15日迄なのでそれまでになんとか書類を整理しておかなければなりません。「溶解文書」と言っても殆どの方はお分かりにならないと思います。文書を溶かして仕舞う処理のことです。(どうやるのでしょうか?何だか恐ろしい!)一年の間には本当に厖大な書類が溜まります。その中には教授会資料や入試関係資料など外部の方の目に触れてはならない書類が多くあります。それをいちいちシュレッダーにかけていたら時間がいくらあっても足りません。そこで、年度末にそのような書類を集め大学が処理してくれることになっています。この気を逃すと後が大変なので、普通に捨てられる書類と、そうでない書類を振り分けておかなければなりません。これも結構大変な作業です。今日と明日のうちにしておかないと、月曜日は入試後期日程がありますので出しそびれることになります。頑張らないと!

 本日のお昼の音楽はモーツァルト「ピアノソナタ」に致しました。本日はピリスで聴いております。


本日は K332 第1楽章、第2楽章を貼っておきます。



2012年3月8日木曜日

「生チョココロネ」と「絶版」そしてシベリウス「ヴァイオリン協奏曲」

日の昼食は「生チョココロネ」「コロッケバンズ」です。


午前と午後に二つ会議がありました。居眠りはしていません。(凄い!)

 よい本でも(よい本だから?)よく絶版になって仕舞うことがあります。余り読まれなくなって仕舞ったと言うことなのでしょうけれど、何だか納得が行きません。例は色々ありますけれど、本日は福永武彦「死の島」を取り上げてみましょう。


帯には「戦後文学史に輝く、日本文学大賞受賞の巨編」と書いてあります。この本は、高校生の頃、何かで見て興味を持ち買おうとしたところ絶版になっておりましたので、神田の古本屋を回って探し当てたものです。昭和50年初版とありますので、私の生まれる前の本です。上下2巻の結構長い小説です。Amazon で検索してみましたところ、中古が何冊か出ていましたので、今でも手には入るようです。
 なかなか面白く優れた小説だと思います。タイトルは、この小説の主要登場人物である萌木素子が描いた絵「死の島」から取っていますが、もちろんベックリン「死の島」を基にしています。そして実は萌木素子は被爆者であり「死の島」は「広島」ともかけてあります。(これは最後の方で分かるので、これから読まれる方に言って仕舞ってはまずいのですけれど。)


以前にも取り上げたことがございますが、とても有名な絵です。クリックして拡大して見て戴くと分かりますが、中央に立つ樹木は糸杉です。糸杉はヨーロッパの人たちには特殊な意味合いを持ちます。糸杉の名前(学名:Cupressus、英語では Cypress)はギリシャ神話に出てくる「キュパリッソス」から来ています。キュパリッソスのお話しはオヴィディウスの「変身物語」にも出てきます。それによると、キュパリッソスの住むケオース島には金色の角を持つ牡鹿がいて、人々に大切にされており、とりわけキュパリッソスはその牡鹿と仲がよかったのですが、ある時誤って投げ槍でその鹿を殺してしまいます。キュパリッソスは嘆き悲しみ、神アポローンに永遠に嘆き悲しむことを願いました。そこで、アポローンはキュパリッソスを糸杉に変えたと言うことです。それ故、糸杉は死や喪の象徴となり、墓地などによく植えられています。
 この小説はその他ムンクの絵や、シベリウスの音楽への言及もあります。福永武彦のバックグラウンドはフランス文学ですが、モダニズムの影響も色濃く受け「意識の流れ」をはじめ、様々な技法が凝らされています。結末には3つの異なったエンディングが書かれています。何でこんないい小説が絶版になって仕舞うのでしょうね。納得が行きません。

 そう言う訳で(?)本日の音楽はシベリウス「ヴァイオリン協奏曲」に致しました。


本日はヒラリー・ハーンの演奏で第1楽章を貼っておきます。