2011年6月28日火曜日

「カツサンド」と「読書会・哀れなるものたち」そしてバッハ「フランス組曲」

日の昼食は「カツサンド」です。

本日は午前中に「読書会」があり、例によってケーキを戴きましたので、甘い物は控えました。

「紫陽花」と言うケーキで綺麗なので選びましたけれど、上がババロアでお味はいま一歩。選択を失敗したかも知れません。それから、ローゼンハイムのお菓子も頂きました。

「読書会」で読んだのはスコットランドの小説家アラスター・グレイ「哀れなるものたち」です。

所謂、ポスト・モダン小説で、様々な技巧が凝らされていますが、決して読みにくい小説ではありません。とても優れた面白い小説です。この小説は作者アラスター・グレイが19世紀末にある医師によって書かれ、自費出版された自伝を発見し、それを編輯して出版したと言う設定になっています。その信憑性を高めるため自ら詳細な注釈も付けています。その医師の名はアーチボルト・マッキャンドレス。彼はゴドウィン・バクスターと言う異様な風貌をした天才外科医と知り合いになり、やがて親しくなります。ゴドウィンは、入水自殺した若い女性、ベラ(ヴィクトリア)が妊娠していた胎児の脳を、彼女に移植し生き返らせます。そして、彼女を教育して一人前の女性に育てて行こうとします。彼女はやがてマッキャンドレスと結婚し、医者となって社会改革を行おうとします。赤ちゃんの脳持ったベラを教育する過程は、映画「マイ・フェアレディー」の原作、ジョ^ジ・バーナード・ショーの「ピグマリオン」を下敷きにしています。
 また、この小説は、メアリー・シェリーの「フランケンシュタイン」を下敷きとし、19世紀に流行ったゴシック小説の体裁を取っていますが、19世紀の植民地主義や、セクシュアリティーを抑圧され、財産権も教育も受ける権利のない女性の立場、階級問題など、19世紀末英国の様々な社会問題を具体的な形で扱っています。
 最後は、編集者グレイにより、この本と共に紙に包まれていたベラから子孫へ当てた手紙が添えられています。これにはちょっとした仕掛けがあるのですけれども、ここでその仕掛けを明かすのは控えておきます。

 本日のお昼の音楽はバッハ「フランス組曲」です。

本日はグールドの演奏で2番を貼っておきます。


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