2013年5月17日金曜日

ヒラリー・ハーン・リサイタル

日は授業が終わった後すぐに大学を出たので更新出来ませんでした。失礼致しました。出かけたのは「ヒラリー・ハーンのリサイタル」です。


ピアノはコリー・スマイルス。アメリカのピアニストです。プログラムは次の通り。書くのが面倒なので、画像を掲載します。クリックし拡大してご覧下さい。


アンコールは James Newton Howard の '133・・・at least' と David Del Tredici の 'Farewell' でした。
 古典的な作品としてはバッハ「シャコンヌ」、モーツァルト「ピアノソナタ K..302」それからフォーレのピアノソナタ第1番です。後は、現代音楽です。或る意味でヒラリーらしいリサイタルです。ヒラリーはバッハを基盤に置き、モーツァルトや四大ヴァイオリンコンチェルトなどを弾く一方で、現代音楽にも常に挑戦して来ました。
 私はヒラリーの「シャコンヌ」を聴けると言うのでとても楽しみにしていましたが、全体を通してヒラリーの音楽を感じることが出来、すっかり堪能して参りました。でも矢張り「シャコンヌ」に一番感動致しました。その美しい演奏に不覚にも涙を流して仕舞いました。この曲は私も暗譜致しておりますので、隅から隅まで知悉しておりますが、その一つ一つの音を噛みしめ、記憶に刻んで参りました。でも、最後の方で「あと24小節で消え去って仕舞うのか」と余計な感慨を抱いて仕舞いました。

 このリサイタルで気付いた細かい点を少し書いておきます。曲の途中で切れた弓の毛を手でむしった。(演奏中は無理ですけれど、切れた毛はむしってはいけません。鋏で切って下さい。)何時も顎当てにタオルを被せているので分かりませんでしたが、ヒラリーも肩当てを使っていると言うこと。エリオット・シャープの 'Storm of the Eye' の演奏の時だけ、眼鏡をかけたと言うこと。(多分、完全には暗譜していなかったのかも知れません。)フォーレのソナタの際、第1楽章の終わりに拍手があったこと。本人も少し戸惑っていた様子で、暫く間が空きました。(楽章と楽章との間での拍手は慎みましょう。曲の連続性が損なわれてしまいます。)それから、改めて思ったのは、構えのよさ、ボーイングの素晴らしさです。ヒラリーの姿勢やボーイングは極めて基本に忠実で模範的なものです。特に今回気付いたのは、左手の肘がしっかりと内側に入っている点です。実はこの点は私の弱点でもあります。私は肩か肘が少し硬いのかも知れません。肘を内側に入れようとすると、少し力をいれなければなりません。それで、疲れてくるとつい肘が緩んで仕舞います。肘が緩むと指が弦に対して垂直に当たらず、少し斜めに傾いて仕舞うので音に影響します。そして、ヒラリーのボーイングは常に弦に対して垂直に当っています。このような点は、ヒラリーのヴァイオリンの音の美しさに影響しているのだと思います。私も見習わないと!
 今回のヒラリーの衣装はちょっと大胆な黒のドレスでした。


こんなのです。結構胸屈輪が深く、この写真では見えませんが、背中の部分がかなり空いたドレスです。今回の一連のリサイタルではこのドレスをずっと着用していたようです。この写真はアメリカでのリサイタルの時の写真です。

 と言う訳で、本日もまた「シャコンヌ」を聴くことに致します。


少し見え難いかも知れませんけれど、またサインをもらって来ました。ヒラリーはコンサートの後何時もサイン会を開いて下さいます。長蛇の列になり、こんなにサインを書いたら手が痛くなるのではないかと心配になるくらいです。ヒラリーはファンをとても大事にするよい子です。それではヒラリーの演奏を貼っておきます。今回の演奏は、この17歳の頃の演奏より格段に洗練されていました。ソナタ・パルティータの全曲を何時かリリースして戴きたいものです。



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