本日は食欲がないので、昼食は抜くことに致します。今日は私の仕事納めです。学生の論文の原稿3編を手直ししてお仕事を終えます。明日からお正月の3日迄帰省致しますので、ブログもその間は更新をお休み致します。
京都土産の「華ふうせん」と「匂い袋」を戴きました。
今年度のベストも最後になりました。本日は「小説」のベストを発表致します。
小説は制限を付けませんときりがありません。そこで、今年刊行された小説で、お仕事とは関係なく純粋に楽しみとして読んだ本と言う制限を付けたいと思います。そして、3冊では無理なのでベスト5に致します。全て、今年のブログの記事でご紹介していると思いますので、解説は省きます。
第5位は村上龍「歌うクジラ」(講談社)です。
サイバー・パンクス的な小説で面白く読みました。
第2位は森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」(角川書店)です。
スタニスワフ・レムの「惑星ソラリス」やルーイス・キャロルの「鏡の国のアリス」を下敷きにしたSF風の小説です。新聞によりますと、日本SF大賞を受賞したそうですね。世界を探求する少年・少女の物語です。決して深刻な小説ではありませんが、深刻であることが小説の質とは必ずしも結び付かないと言うことを感じさせる、とてもいい小説だと思います。
第1位は井上ひさし「一週間」(新潮社)です。
井上ひさし最後の小説と言うことで、少々贔屓目に見てしまったのかも知れません。この小説の舞台は、戦後間もないシベリアの捕虜収容所。一人の日本人捕虜の波乱に満ちた一週間が日記形式で描かれます。井上ひさしは1934年生まれですから、終戦時11歳でした。もちろん戦争責任はありません。しかし、井上氏は、少年ながら戦争の時代を生きた人間として、戦争の実態を語り継ぎ、平和主義・民主主義を守ろうとしてきた作家です。「九条の会」に関わる活動もその一環です。「東京セブンローズ」の団扇屋の主人の日記同様、徹底的な取材を元に書かれた小説です。悲惨な状況を描く作品ですが、そこには、井上ひさしらしい人間に対する暖かい目が感じられます。
0 件のコメント:
コメントを投稿