本日の昼食はケンタッキー・フライドチキン「ブレイザー」です。
後ろは読書会の方に頂いた「ブルーベリーキャラメル「と「和栗キャラメル」です。それぞれ別の方から頂きました。
本日は1限が授業、その後すぐに読書会がありました。例によってケーキを戴きました。
本日は栗のケーキです。
今回の読書会は三島由紀夫「豊穣の海」です。長いので2回に分けて、今回は第1巻「春の雪」と第2巻「奔馬」を読みました。語り手は本多繁邦。「春の雪」では10代の学生として登場しますが、やがて大学で法律を学び、裁判官そして弁護士になり、最後の「天人五衰」では81歳になっています。「春の雪」では、侯爵家の長男・松枝清顕が主人公となります。清顕は皇族と婚約した幼なじみの綾倉聡子と密会し、聡子はやがて妊娠し、堕胎をして出家します。聡子に会いに行った清顕は春の雪が降る中、面会を求めて待ちますが果たせず、それがもとで肺炎となって20歳で死にます。
第2巻「奔馬」では、その清顕が、松枝家の書生をしていた飯沼の息子・勲に転生します。時代は戦前の昭和。勲は「神風連」に影響を受け、5・15事件や2・26事件のように、決起を試みますが失敗し自刃致します。
私は以前既に読んでおりますし、今回も最終巻まで読みましたが、今回はここまでです。三島は孤独で屈折した自我を描いて来ましたが、この小説に見られる仏教の輪廻転生思想は、それとは真っ向から対立します。転生するのは「自我」とか「自意識」ではありません。一人の人間の命など、大きな生命の流れの一滴の水滴に過ぎないと言う思想がその根底にはあります。私はもちろん輪廻転生思想などは信じませんけれど、この小説には人間や時代について様々に考えさせるものがあります。時代に関して言えば、ここで提起されるのは、単にこの小説が扱う大正期から戦後にかけての時代の問題だけではないようです。「春の雪」では、禁忌の愛に命をかける青年が描かれますが、これは平安時代の物語に通じる価値観を含んでいます。また、「奔馬」では、戦前の皇国史観ばかりではなく、忠のために命を捨てる武士の時代の価値観を反映しています。それが、後半の「暁の寺」、「天人五衰」になると、最初の2巻の主人公に見られる「純粋」さが徐々に失われて行きます。それは謂わば戦後の日本を象徴しているようです。
そのような価値観は到底認められるものではありませんが、日本の歴史を俯瞰しようとする三島の意図は伝わって来ます。小説としてはとても優れた小説だと思います。
先日、名古屋大学などの研究で、福島第一原発の事故で放出されたセシウムが北海道や西日本にも沈着しているとの推計結果が発表されました。以前から、日本中、世界中が放射能に汚染されたと申し上げている通りで、今更何をと思わない訳ではありませんが、兎も角、計測結果を基にそのような推計が行われ、発表されたことは評価出来ます。近いうちに 米科学アカデミー紀要電子版に結果が発表されるとのことです。
それから、会計検査院の調査で、日本原子力研究開発機構が発表している「もんじゅ」の総事業費に、人件費、固定資産税、使用済み核燃料を再処理しプルトニウムを取り出す技術を研究する茨城県東海村の「リサイクル機器試験施設」(RETF)の建設費用などが計上されて折らず不透明である旨指摘されました。また、RETFは,830億円以上の建設費用をかけながら、10年以上放置され一度も使用されてないことが分かり、改善を求められました。何たる税金の無駄遣い!腹立たしい限りです。
本日のお昼の音楽はブラームス「ヴァイオリンソナタ」に致しました。
本日はムター姉さんの新しい版で聴いております。因みに、DVDも持っております。それでは第2番第1楽章を貼っておきます。
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