「一粒栗大福」も買って参りましたが、午前中にケーキを戴いたので(忘れていました)、明日戴くことに致します。
本日は午前中に「読書会」がありました。例によってまたケーキを戴きました。
上に乗っているのは栗です。抹茶のスポンジと中にはあずきの入ったクリームが入っています。美味しかったです。
本日読んだのはジョナサン・スウィフト「ガリヴァー旅行記」です。この作品は18世紀初頭、英国の最も初期の小説の一つです。児童文学として書き換えられたものは有名ですが、実際に作品を読んでいる人はさほど多くないようです。実際には、この作品は痛烈な風刺小説です。当時の英国に対する風刺ばかりでなく、人間そのものに対する強烈な風刺が見られます。例えば、ブロブディンナグ(大人国)では、小さなガリヴァーから見ると女性の肌は凸凹でシミだらけ、見るに堪えないと書かれます。また、ラピュタでは学者、取り分け科学者が風刺されていますが、これを読むと、人間はもしかしたら余分なものを作り過ぎたのではないかと思えてきます。作物をそだて、馬車で移動し、水車で粉を挽く、そのくらいあれば充分なのかも知れません。昨日「報道ステーション」で浅田次郎氏が、チェルノブイリの石棺を見て、「灰色のマトリョーシカ」と表現されていました。最初の石棺が劣化したため今それを覆うさらに大きな石棺を建造中ですが、それがまた劣化したら更に大きな石棺を建造しなければなりません。それがこの先ずっと続いて行く・・・。まさに、巨大な灰色のマトリョーシカです。そして、それはまるでギリシャ神話か旧約聖書にでも出て来そうな世界です。原発や核兵器は言うまでもなく、人間が科学の力で作り上げてきたもので本当に人間に必要なものは何だったのでしょうか?もう一度立ち止まって考え直してみる必要があるように思えます。そして、圧巻は最後のフーイナム(馬の国)。争いも嘘もないこの国で飼われているヤフーと言う家畜は貪欲で攻撃的で不潔な動物ですが、これが人間なのです。ガリヴァーは英国に帰ると、ヤフーである妻や子供たちとも一緒に居ることが出来なくなります。人間に対する強烈な風刺になっています。
スウィフトと言う人物は実に変わっています。アイルランドのダブリンに生まれ、最後もダブリンの聖パトリック大聖堂の司祭でした。"A Modest Proposal" (慎み深い提案)では、子だくさんで貧困にあえぐアイルランドの状況を改善するには、生まれてくる赤ん坊を英国に食料として輸出するのがよい、と言っています。もちろん、皮肉ですけれど、間違いなく顰蹙を買いそうな痛烈な皮肉になっています。
福島の18歳以下の子供たちの36%に甲状腺のしこりが見つかっています。チェルノブイリでは、5年以降に甲状腺癌が増え、現在も増え続けています。とても心配です。しかし、福島医大は、このうち1117人の5ミリ以下のしこり、20ミリ以下の嚢胞が発見された子供を、問題ないとして、尿検査・採血などを行う2次検査の対象から外しました。子供たちの親からは、本当に大丈夫なのか?きちんとした検査を受けなくてよいのか?と言った不安の声が上がっています。
この結果を受けて政府が取った対応は、疫学的データがないので福島以外の全国3箇所で18歳以下の子供4500人を対象に調査を行うと言うものです。それも結構ですが、その前にしこりや嚢胞が見つかった子供たの検査を行うのが先だと思います。福島医大はこの結果を受けて「おおむね良性」だと言っていますが、一体これはどういうことなのでしょう? 前からそうですけれど、福島医大は放射線による影響を低く見積もろうとしているようです。皆さん同じようですね。原子力規制委員会の委員長候補にあがっている田中俊一氏も一貫して100ミリシーベルト以下なら全く影響はないと言い放っておりますし。でも、それでは困ります。子供たちの命に関わる問題ですから何とかしなければなりません。
国会は、衆議院の定数是正の問題で揺れていますが、先日は橋下大阪市長が議員定数を半数の240人にすると述べました。一体適正な議員定数とは何人くらいなのでしょうか?各国の議員一人あたりの有権者数を見てみると、日本の議員数は最も少ない部類に属します。よく比較されるアメリカは日本より更に少ないのですけれど、アメリカは合衆国であり、各週の独立性が高いので、そのまま日本と比較することは出来ません。日本の議員数は、有権者16万4千人に議員1人です。ヨーロッパの主要な国を見ると、北欧各国は有権者2万5千人から3万人に1人と高くなっています。英国は5万7千人、イタリアは6万人、フランスは6万6千人、ドイツは10万9千人に1人となっています。橋下氏は参議院を廃止すると言っていますから、そうなると日本は飛び抜けて議員数の少ない国になって仕舞います。少なくともこのような事実は押さえておく必要があります。
確かに、議員数を減らせば経費は削減出来ます。しかし、その結果民意が反映されにくくなり、取り分け、少数派の意見は無視されるようになる危険性が高くなります。議員数よりむしろ政治にお金がかかる今日の政治のありよう、政党助成金、一般市民が立候補しにくい選挙制度、等々の方が問題なのだと思います。今回の橋下氏の行動は、例によって極端なことを言い人気を取ろうとするあの方一流の政治手法としか思えません。
本日のお昼の音楽はブラームス「チェロソナタ」です。
本日は第1番を貼っておきます。
0 件のコメント:
コメントを投稿