2011年8月16日火曜日

「ミニコロッケドッグ」と「白桃」と「原発」そしてスカルラッティ「ソナタ」

日の昼食は「ミニコロッケドッグ」「おいもとりんごのシナモンブレッド」です。

デザートは岡山の「白桃」です。

 最近「原爆の日」「終戦記念日」と続き、戦争や原発に関する特集番組をよく観ます。土曜日は、ETV特集「アメリカから見た福島原発事故」、昨夜は10時からNHKの特集番組を観ました。タイトルは忘れてしまいましたけれど、太平洋戦争がどのように拡大されていたかを追ったドキュメンタリーです。上層部は海軍の戦線拡張の主張を無謀だと知りつつ制御出来ず、さらに、利権を求める経済界との癒着が戦争を拡大して行きます。その愚かさのために、1000万人以上の人々が犠牲になりました。
 原発関係の番組では、既に1980年代には福島第一原発の原子炉、ジェネラル・エレクトリック社の「マークⅠ」の格納容器の脆弱性が指摘されていました。そのためアメリカでは重大事故が起こった場合のシミュレーションをしています。そして、今回の福島第1原発の事故では殆どその通りのことが起こっています。開発に関わったデイル・ブライデンボー氏は「マークⅠ」を廃炉にすべきだと上層部に進言しましたが認められず、そのためGEを辞職しました。アメリカ議会で原発の安全性について公聴会が開かれましたが、結局、「マークⅠ」は廃炉にはされす、脆弱性を補うため「ベント」が取り付けらることになりました。しかしアメリカでは「マークⅠ」は地震のない東部だけに設置されています。日本も遅れてベントを取り付けましたが、極めて信頼性の低い設計で、コスト削減のためフィルターすら付けられていません。元原子力安全委員会の委員長・村主進氏に対するインタヴューで、アメリカでシミュレーションが行われていた全電源喪失の場合の対応は考えられなかったのかとの質問に、村主氏はにこにこしながら、全電源喪失の可能性は天文学的数値であり、考える必要はなかったと述べています。さらに、アメリカの原発では非常用電源が8箇所、全く別な場所に防水扉を備え、設置されていましたが、福島第1原発では2箇所、それもすぐ近くに設置されていました。その点について問いただされると、村主氏は、それは安全基準に違反していると認めながら、当時はマグニチュード9の地震が来るなどとは全く想定していなかったと答えます。(にこにこしながら!)また当時の東電副社長は、設計ミスだと認め、下の方でやっていたことなので知らなかったと述べています。この国では、誰も責任を取ろうとしないようです。
 先日、福島で1400人余りの子供の甲状腺検査が行われましたが、半数以上から最大30ミリシーベルトの放射能が検出されました。その報道を聞いて私は思わず涙を流して仕舞いました。検査にあたった研究者は、癌の発生率が上がるが分かっているのは100ミリシーベルトだから心配はないと言っていました。無責任極まる発言です。放射線被曝には閾値はありません。しかも、これは内部被曝であり、また子供は大人に比べ格段に放射線の影響を受けやすいのです。こんなことは言いたくもありませんけれど、間違いなくこの子供たちの何割かは後に癌を発症することになるでしょう。これ以上被曝しないように、周辺地域の子供たちを即刻避難させて戴きたいと思います。たとえ癌にならなくとも、これらの子供たちそしてご両親はこれからずっと不安を抱えて生きなければなりません。その思いを想像してみて下さい。そして一刻も早く対処して下さい。
 どうかこれ以上愚かなことは繰り返さないで下さい。これだけの事故が起きても利権に群がり原発を推進しようとするのは止めて下さい。愚かな過ちを何度繰り返せば気が済むのですか。その度に多くの人たちが苦しむことになります。菅首相が辞任し、民主党代表選が行われようとしています。しかし、代表選に出馬すると言われている人の中にははっきりと脱原発を唱えている人はいません。次の選挙でまた自民党が勝ったら脱原発は益々遠ざかります。次の選挙ではどうか脱原発派か原発推進派かを見極めて投票して下さい。

 本日のお昼の音楽はスカルラッティ「ソナタ」に致しました。

ドメニコ・スカルラッティはバッハと同じ1685年に生まれています。彼はマリア・マグダレーナ・バルバラ王女のために550曲のチェンバロ練習曲を書きますが、後にその形式の類似性からソナタと呼ばれるようになります。ホロヴィッツはコンサートで好んでスカルラッティを弾きました。本日はホロヴィッツの演奏で私の好きなソナタL33を貼っておきます。


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