本日の昼食は「チーズブレッド」です。
苺入りのシュークリームです。
本日の読書会は今村夏子「こちらあみ子」でした。
優れた小説です。芥川賞をとった「きことわ」よりずっといい小説だと思います。この小説は一貫して、恐らく発達障害のある「あみ子」の視点から書かれています。あみ子の捉える世界は、周辺の人たちが理解する世界とずれています。それ故、あみ子は周辺の人たちとうまくコミュニケーションが取れず、よかれと思ってやったことが悪い結果をもたらすこともあります。お誕生日に父親からもらったおもちゃのトランシーバーが1つのモチーフとして用いられています。こちらあみ子と呼びかけても、雑音がするばかりで誰も出てはくれないのです。
あみ子の置かれた状況はかなり過酷なものですが、本人は時として悲しみに襲われるものの、穏やかな気持ちで受け入れています。自分自身が置かれた過酷な状況さへも理解できないと解釈すれば、益々悲惨ですが、小説全体のトーンはそうではありません。あみ子にも、文句を言いながらも彼女の身の上を思っていてくれる兄や、漢字が読めないので名前も知らないのですが、彼女に話しかけてくれるクラスメイトの男の子もいます。そして、何よりも、この小説を読み進めるうちに、あみ子の置かれた状況に対する私たちの理解の仕方そのものが1つの見方に過ぎず、あみ子の受け止め方が正しいのかも知れないと言う気持ちになって参ります。あみ子は中学を卒業すると、田舎にある父方の祖母の家に預けられますが、彼女の生活は何だか幸せそうなのです。
この小説は先ほども述べましたように、あみ子の限られた視点から描かれており、周辺の人たちの気持ちなどは一切書かれてはいません。それ故、読者は様々に想像し、様々に解釈することが出来ます。皆さんはどう読まれるでしょうか?読むに値する作品です。是非お読み下さい。(Mちゃんも是非読んでみて下さい。これは個人的な記述です。)
福島第一原発の状況は益々悪くなっているようです。まず、現在、2号機のトレンチの高濃度汚染水を移送していますが、一向に水位が下がらないと言うことです。また、4号機建屋に溜まった汚染水の放射線濃度が最大で250倍になったとのことです。汚染水を除去出来なければ、漏れている箇所の修理も出来ません。このような状況が半永久的に続くのでしょうか?そしてその間も放射線は環境中に排出され続けます。本当にどうなってしまうのでしょうか?不安は増すばかりです。
本日のお昼の音楽は諏訪内晶子 'Poeme' を聴いております。
本日はピアノ伴奏でラクリンの演奏を貼っておきます。オーケストラではなくピアノ伴奏もシンプルでいいですね。
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