2011年4月1日金曜日

「あんドーナッツ」と「原子力安全委員会・日本原燃」そしてブラームス「インテルメッツォ」

日の昼食は「あんドーナッツ」「りんごとキャラメル」です。

苺が切れていましたが買い忘れました。仕方ないのでデザートにはアイスクリームを戴きます。

 福島第一原発の状況は益々悪化しています。IAEA は原発から40キロ離れた飯舘村の土壌で1平方メートルあたり2000万ベクレルという IAEA の避難基準の2倍の放射線を検出しました。また、海の汚染も益々大きくなり、昨日は地下水からも放射性物質が検出されました。しかし、対応は一向に進まないのが現状です。

 原子力安全委員会は内閣府の審議会の一つで、原子力の安全をチェックする最高機関です。経産省の機関である、保安院や文科省などが安全規制を行い、さらに、規制省庁から独立した原子力安全委員会がそれをチェックすると言う体勢がとられています。しかし、実際にはその機能を果たしているとはどうてい言い難いのが現状です。現委員長の斑目春樹氏はこれまでも様々な批判を受けならが、現在もその職に就いています。
 浜岡原発運転差し止め訴訟において、非常用電源が機能を喪失することを想定していないのは何故かと問われた際(今回の事故で実際に起こったことです)、全てを考慮することは出来ない、割り切ることが必要だと言う趣旨の答弁をしています。先日の国会では社民党の福島委員長がこの発言に関して質問を致しましたところ、「割り切り方が間違っていた。」との回答をしています。先日の記者会見では、事故の今後の見通しについて質問を受けた際、進行中のことなので分からないと言う回答をしておりましたが、その時、笑って答えていたのを見て愕然と致しました。回答内容も無責任極まりませんが、笑うなどと言う神経が理解出来ません。チェック機関として、そのような可能性に対しきちんと対処していれば、今回の事故も起こらなかったのかも知れません。その責任は極めて重大です。また、先日書きましたように、斑目氏は、柏崎刈羽原発事故の際、きちんとした調査の済む前に早々と安全宣言を出し、原子力資料情報室から、委員長として不適格だとして罷免要求を出されてもいます。いずれにしても、原子力に関する安全のチェックが、形ばかりで実際にはきちんと機能していなかったと言う事実は否定しようもありません。

 先日は、また日本原燃が核燃料サイクルの構築は今後も進めて行くとの会見を致しました。「日本原燃」は主に核燃料サイクルの商業利用を目的に、電力事業連合会や日本原子力発電が出資して出来た国策会社です。先日もお話ししましたが、核燃料サイクルとは軽水炉で燃やした使用済み燃料を再処理し、そこで生成されたプルトニウムを高速増殖炉で燃やそうと言うものです。しかし、先日も申し上げましたように高速増殖炉は極めて危険で、地震などがなくとも大きな事故を起こす可能性が極めて高いと言わざるを得ません。実際、実験炉である「もんじゅ」は度重なる事故のため稼働出来なくなっています。それに、プルトニウムと言うのは、これも先日申し上げましたように、極めて毒性が強く、しかも半減期が24000年と長く、とても危険な物質です。自然界には殆ど存在しない、人間が造り出した猛毒なのです。今、このような大事故が発生し、それがどうなるか分からないような状況の中で、このような会見をする日本原燃の不見識にはあきれてものが言えません。

 政府は、現在進行中の原発の増設を見直すとともに、原子力発電そのものについても検討する必要があるとの見解を示しました。これは一つの見識だと思います。自由民主党は政府の対応について批判をしていますが、(別に批判することは構いません。)原子力発電を推進し、現在のような原子力行政の体勢を作り上げたのは歴代の自民党政権に他なりません。それに対する責任と反省はないのでしょうか?自民党には原子力産業との癒着があります。現在、民主党政権は批判さらされ、また自民党政権に戻ることも充分考えられます。その時に、小手先の安全基準の見直しだけで、現在の原子力行政がそのまま温存されないように注視しておく必要があります。

本日のお昼の音楽はグールドの演奏でブラームス「インテルメッツォ」を聴いております。

本日は作品117-2変ホ短調を貼っておきます。とても美しい曲ですね。


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