日曜日に「ポトスライムの舟」を読んだので、ちょっと感想を書いておきます。(上の写真はそれとは全然関係ありません。文書だけではつまらないと思い、H氏が普段使用している鞄の写真を掲載しました。)主人公のナガセは大学卒業後就職したが、上司の「モラルハラスメント」に合い退職し、現在は契約社員として工場のラインで働いている。年収は163万円とのこと。母親も離婚して、奈良の地震が来たら崩れそうな家に二人で住んでいる。友人のヨシカが、これも大学卒業後5年間総合職に就いた後、ナガセの居る奈良にカフェを開き、ナガセは平日の夜そこでバイトをしている。それから、大学卒業後直ぐに結婚し専業主婦をしている、そよ乃。結婚をしたが、身勝手で浪費家の夫と離婚しようとしているりつ子。このりつ子は保育園に通う娘とともにナガセの家に居候を始めるが、やがて元勤めていた会社に再就職しナガセの家を出て行く。この4人の年齢は29~30歳。この年代の女性が抱える問題をうまく描いていて、それなりに面白く読みました。選者の一人村上龍は選評で「よく書けていると思ったので受賞には反対しなかったが、推さなかった。コントロールできる世界だけを描いていると思ったからだ。」と述べていますが、H氏もその通りだと思いました。日常を描くにしても、新しい視点から、世界の異なった見え方を示すとか、なかなか言葉で表現し得ないものを小説という表現形態で何とか表現しようとするとか、そういうところがない小説と言うのは何だかつまらないんですよね。
それはともかく、石原慎太郎などと言う人がまだ選者をしているって言うのもどんなものでしょうかね。あの人もう小説家とは呼べないんじゃないの?評論家でもないし。東京都中学生作文コンクールの都知事賞を選ぶんじゃないんだから!
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