本日の昼食は「粗挽きポークウィンナ」と「生チョココロネ」です。
昼食を買いに出るついでに中山七里「おやすみラフマニノフ」を買って参りました。
「さよならフォビュッシー」そして昨日「いつまでもショパン」を読みましたので、このシリーズで読んでいなかった「おやすみラフマニノフ」も読んでおこうと思い買っておきました。
本日は「再録音」のお話しを致します。一人の演奏家が同じ曲を再度録音すると言うのはさほど珍しいことではありませんけれど、私の持っているCDの中から幾つか例を挙げて少し考えて見たいと思います。
まずは、ムター姐さんのブラームス「ヴァイオリンソナタ」です。最初の録音は1982年で、ピアノはワイセンベルク(!)です。
この録音も決して悪くはありません。2度目は2009年の録音で、ピアノはランバート・オーキスです。
2009年版のライナーノーツでムターは「これらのソナタを20年にわたって演奏していて、もちろん、この間にブラームスに対する考えも、今日自分が演奏する作品に対する見方も変化しています。現在の方がいいとは言いませんが、音楽に対する理解はより深くなっていますし、好むと好まざるとにかかわらず、人生は頭の中だけでなく心と魂に跡を残し、物事への理解を深めます。そして、これらのソナタについて言えば、私たちの間には、細部の表現や音色、そこに織りなされた対話について、昔よりはるかに高い意識と意思の疎通があります。」と述べています。実際にこの2枚を聴き比べると、2枚目の方が明らかに深みを感じます。
1回目と2回目の違いが最もはっきりしているのは矢張りグレン・グールドのバッハ「ゴールドベルク変奏曲」でしょう。1回目の録音は1955年です。
これも優れた演奏です。そして2回目は1981年、グールド晩年の録音です。
この2回目の録音は圧倒的に個性的であり、最初の1小節を聴いただけで、グールドの1981年版だと分かります。私はこの版を始めに聴きましたが、1955年版を最初に聴いていたならば、その衝撃は更に大きかったと思います。この再録音には明らかに解釈の違いが見られ、グールドが晩年になって再録音した必然性が充分に納得出来ます。
もう一つだけ例を挙げておきましょう。諏訪内晶子さんのチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」です。1回目は諏訪内さんがチャイコフスキー国際コンクールで史上最年少で優勝された時のガラコンサートです。
当時諏訪内さんは17歳か18歳です。2回目の録音は2000年です。
もちろん、2回目の録音の方が完成度の高い演奏となっていますが、この場合特に気付くのは音の違いです。2回目の録音の時には既にハイフェッツの使っていた3大ストラディヴァリの1つ「ドルフィン・ストラディヴァリ」を使っていますけれど、明らかに音色が違っています。
今日はこの辺にしておきますが、マルちゃんのショパン「ピアノ協奏曲第1番」など他にも興味深い再録音は沢山あります。また、機会があったらお話しすることに致します。
本日は、グールドの「ゴールドベルク変奏曲」の55年版と81年版を貼っておきます。聴き比べてみて下さい。
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