2013年1月22日火曜日

KFC「甘辛チキンサンド」と「アルジェリア情勢」そしてバッハ「音楽の捧げもの」

日の昼食はケンタッキー・フライドチキン「甘辛チキンサンド」です。


 ここのところ暫くアルジェリアの石油プラントでの人質事件がニュースなどで報道されていました。然し,その取り上げ方に私は些かの違和感を感じます。もちろん,日本人が邦人の安否を気にかけるのは当然のことです。でも,どのニュースも根本的な問題に全く触れていないように感じます。
 もちろんテロは如何なる理由があろうとも許されないことだと思いますが,テロ事件が今も頻発するにはそれなりの歴史的背景があります。テロが起こる地域を見れば一目瞭然ですが,何処も欧米の植民地だった地域です。テロが起こる根底には,植民地主義がもたらした様々な問題と経済的格差があります。そのことを理解し,解決しようとしなければ,これからもこのようなテロ事件が絶えることはないでしょう。
 ここで詳細に述べることは出来ませんが,理解の助けになる本を少し紹介しておきます。もちろん,エドワード・サイード「オリエンタリズム」(平凡社ライブラリー)は最初にあげなければならない本です。現代人が読んでおくべき必読書です。それから,取り分けアルジェリアやアフリカの問題に関しては,フランツ・ファノンの著作が役に立ちます。ファノンはアルジェリア出身の思想家・精神科医・革命家であり,所謂,ポストコロニアル理論の先駆者です。代表的な著作は『地に呪われたる者』です。


私が持っているのは英訳版ですが,翻訳もみすず書房から出ています。その他,『黒い皮膚・白い仮面』(みすず書房)も読んでおくといい本だと思います。
 思えば,アルベール・カミュもアルジェリアの出身でした。プラハに住むドイツ系ユダヤ人だったカフカと同様,マイナリティーの文学は世界の新しい見方を提供してくれるように思われます。周縁から,あるいは弱者の視点から世界を見ることはとても重要なことだと思います。

 本日の音楽はバッハ「音楽の捧げもの」です。


全曲を貼っておきます。チェンバロはグスタフ・レオンハルトです。

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