2009年1月31日土曜日

斎藤美奈子さん頑張って!

H氏はフェミニストです。それも結構過激な!現在、数多くの女性の作家が活躍していますが、女性の文芸評論家は極めて少ないと言うのが現状です。何だか、「女性の皆さん、小説でもエッセイでも好きに書いて下さいね。私たち男は女性にも寛容なのよ~ん。でも、評価するのは男だもんね。」ってな感じですよね。
 その中にあって、斎藤美奈子さん頑張っています。やたら難しい言葉を使ったりもしないし、(これはH氏もちょっと反省。)男性の批評家にはない視点もあって、ハッとさせられることがよくあります。写真・左は一番最近買った斎藤さんの本、右はとても感心した本です。(「妊娠小説」、「文章読本さん江」、「モダンガール論」なども面白いですよ。それに岩波新書の「冠婚葬祭のひみつ」も面白く読ませて貰いました。)彼女の批評是非読んでみてくださいね。H氏は以前からずっと心密かに応援して参りました。これからも頑張ってくださいね。H氏も頑張りますよ~ん(!?)。

2009年1月30日金曜日

アイルランド(2)

アイルランドの話をもう少ししておきましょう。 どこから話を始めましょうか。考古学的に言うと BC3500 くらいから新石器時代に入りますが、アイルランドでもストーン・サークルやドルメンなどの巨石文化が始まります。もっとも有名な遺跡は写真・上の New Grange 遺跡で BC3000 前後のものと言われています。この当時はドゥロイド僧を中心とする自然崇拝の時代で、中心部の石室に、1年に一回冬至の日のみに光が差し込むように造られています。
 その後、紀元6世紀頃に大陸からケルト人が渡って来て、ケルト文化が栄えるようになります。写真・左下はケルトの装飾品です。ここに見られるようにケルトの美術は組紐模様をベースとした幾何学模様を特徴とします。(ケルトの美術に関しては、鶴岡真弓氏の「「ケルト/装飾的思考」(筑摩書房)などが参考になります。)
 その後、紀元 432 年に、St. Patrick がアイルランドにキリスト教を布教し、その後アイルランドは敬虔なカトリックの国になります。その際パトリックはケルト文化を抑圧しようとせず、キリスト教とケルト文化の融合を図り、その結果アイルランドには独特のキリスト教文化が生まれます。例えば、先日の写真の一番下には High Cross と言うアイルランド独特の十字架が写っていますが、十字の中心部にある円は日輪を表し、ケルトの太陽崇拝の名残だと言われています。また、この十字架にはケルト模様が一面に彫られています。またアイルランドの国花 Shamrock (シロツメクサ)はパトリックが布教する際三位一体を説明するのに用いたと言われています。
 写真・右下は、The Book of Kells と言う、8世紀頃に作成された聖書の写本の中の頁です。XPI (ギリシャのでキリストを表す「クリストス」の頭文字)を装飾的に描いたものですが、ここにもケルト独特の装飾が施されています。ローマ帝国がキリスト教を禁止すると、アイルランドはキリスト教布教の中心となり、数多くの修道院が建てられ(今でも至る所に修道院があります。マザー・テレサが最初に入ったのもダブリン郊外の修道院でした。)、写字僧によって聖書の写本も数多く作られました。
 ケルト文化はもともと文字を持たぬ口承文化で、キリスト教の布教とともにアルファベットがもたらされ、文字文化の時代になります。それ以前には吟遊詩人が活躍し、音楽に合わせて神話や伝承を語っていましたが、アイルランドのシンボルの一つであるハープはその伝統を表しています。現在も音楽が盛んなのはそのようなケルトの伝統に基づいていると思われます。
 修道院の写字僧たちは聖書を写すのみならず、ケルトの神話や伝承を文字にして行きますが、その際ケルトの神々が矮小化されて「妖精」になったと言われています。 20世紀初頭にイェイツが編輯した「ケルト妖精物語」はちくま文庫でから出ています。イェイツが妖精物語や民話を蒐集している時、500以上もの話を暗記している老婆がいたと言うことです。ケルトの口承の伝統はかなり近年まで残っていたようです。
 16世紀以降は英国の支配下、カトリック信仰はもちろん、アイルランド独自の文化も弾圧を受けます。アイルランドの音楽は、家の中で密かに歌い継がれ、そのリズムは暖炉の前で足を踏みならすことによって伝えられました。腕を両脇に付け、上半身を使わずに踊るアイリッシュダンスはこうして発達したと言われています。
 まだまだ、アイルランドについて語ることは多くあるのですが、長くなったので、今日はこの辺にしておきましょう。また、お話することもあると思います。

2009年1月29日木曜日

アイルランド



皆さん、アイルランドと言う国を知っていますか?英国のすぐ西の小さな島国です。H氏はアイルランドに縁があり、1年間首都のダブリンに住んでいたこともあります。アイルランドは20世紀に入るまで英国の植民地で、19世紀中頃のジャガイモ飢饉で100万人以上が餓死し人口が半減するなど、悲惨な歴史を持つ国です。1910年代の独立闘争は映画「マイケル・コリンズ」や「麦の穂を揺らす風」などに描かれています。
 しかし、この国は芸術的に優れた国で、James Joyce, W.B. Yeats, Samuel Beckett など、数多くの優れた作家を輩出し、また音楽も盛んです。産業の発達が遅れたせいもあって、美しい自然が国中に残っています。もっとも、特に西部は気候が厳しく土地も痩せているので、生活は過酷です。かつては、国内に産業が発達していなかったため、失業者が多く、職を求めて海外に出て行く人も多かったのですが、近年は EU に加盟し外国の会社がアイルランドに進出したこともあって、徐々に経済発展も進んでいるようです。今も残るケルト文化、英国に支配され続けた歴史、そしてそれを背景とした文学など、この国のことを学ぶと色々なことを考えさせられます。ここ10年ほどちょっとしたアイルランド・ブームがあり、色々アイルランド関係の本も出版されています。(「リバーダンス」も人気があるようですね。それにエンヤの音楽などもよく耳にします。)皆さんもちょっとアイルランドのことを調べてみると面白いかもしれませんよ。

2009年1月28日水曜日

H氏の小物(3):「のだめ」のレッスンバッグ

H氏は今日も忙しく、ブログにエントリーする時間もありません。と言っておきながら、それも詰まらないので、H氏愛用の「のだめ」レッスンバッグの写真を掲載いたします。
 話はそれますが、お年玉年賀はがき、今年は切手シートが5枚でした。H氏個人に来る年賀状は150枚程度なので、確率的には悪くないのですが、毎年切手シートしか当たりません。1等、2等とは言いませんが、せめて3等の「とらや」の羊羹、「ニッスイ」のふかひれスープ・カニ缶セットでも当たらないかと思っているのですが・・・。H氏は食いしん坊なのでしょうか?
 誤解されるといけないので言っておきますが、先日書いた「八百卯」、ただフルーツ・パフェが食べられなくなったから残念なわけではありません。もちろん「檸檬」に出てくる歴史的な店がなくなることもとても残念なことです。それにH氏は寺町のあの界隈の風情がとても好きなので、あの店がなくなったらどうなるのだろうと心配もしています。それから、お店のおじさん、おばさんがとても親切で、何だか昔ながらの店と言う感じでよかったんですよね。ご主人のご冥福を心からお祈りしたいと思います。
 右の写真の「桜桃」(作り物です)も「八百卯」さんで買ったものです。こんなものも売っていたんですよ。(オレンジは他で買ったものですが、ちょっと檸檬ぽい色をしているので序でに入れておきました。)

2009年1月27日火曜日

八百卯が閉店したそうです。残念。

1月24日をもって、先日「H氏の好物」でご紹介した梶井基次郎の「檸檬」で有名な果物屋さん「八百卯」が閉店したそうです。ご主人が亡くなられたようです。残念なことです。「丸善」も撤退し、「檸檬」に纏わるお店がなくなってしまいましたね。以前行った時、下でパフェを頼むと二階のパーラーにご主人が持ってきて下さいました。H氏が桃のパフェを見て嬉しそうにしているとご主人も微笑まれていました。先のブログに乗せた写真はその時ご主人に撮っていただいたものです。もうあそこでパフェを食べられないかと思うと断腸の思いです。あそこのパフェはそれ程おいしいものでした。もう一度写真を掲載しておきます。(プライバシーのため顔はカットしてありますが、この時H氏は本当に嬉しそうな顔をしています。)

H氏の好きな推理小説

今日は珍しく少し時間が空いたので、もう一つ書き込みます。H氏は推理小説も読みます。中井英夫の「虚無への供物」、小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」、夢野久作の「ドグラ・マグラ」と言ったトラディショナルな推理小説も読んでいます。今日はその中からお薦めの推理小説を紹介いたします。
 まずは写真左のウンベルト・エーコの「薔薇の名前」(国書刊行会、上・下)。英国のタイムズが20世紀の終わりに行った20世紀のベスト100の推理小説部門1位の作品です。エーコは著名な中世学者・記号学者でもあり、また小説家でもあります。この小説は中世の修道院を舞台に繰り広げられる書物を巡る殺人事件を扱っています。こんな面白い本、読んでないと罰が当たりますよ。尚、この小説は、ショーン・コネリー主演で映画化されていて、DVD も販売されています。
 次は日本の推理小説でH氏が好んで読む、笹井潔の「哲学者の密室」。ハイデガーの死の哲学を背景にした中々読み応えのある推理小説です。この小説は、「バイバイ・エンジェル」「サマー・アポカリプス」との3部作になっているので合わせて読まれるといいですよ。
 ロラン・バルトは「S/Z」(写真右)の中で、謎を課しそれを解く機能を持つ単位の総体を「解釈学的コード」と名付けていますが、バルトがこの本で分析しているバルザックの「サラジーヌ」は、通常、推理小説のジャンルには入れられません。謎を課しそれを解いていく機能は、推理小説に限らず、読者を先へと読み進めさせる力になります。例えば、ドストエフスキーの小説にはこの読者をドライブする力が強く働いています。最近新訳で話題になった「カラマゾフの兄弟」を始め、「罪と罰」、「悪霊」、「白痴」、どれを取っても「推理小説」のジャンルに入れてもいい程、この力が強く働いています。そう考えると、ドストエフスキーの小説も、トマス・ピンチョンの「V.」、「競売ナンバー49の叫び」とかもお薦めの推理小説と言っていいのかも知れません。

ヴァイオリンのレッスン

今日はヴァイオリンのレッスンの日です。H氏はここのところ忙しくて余り練習が出来ていません。H氏の先生は「のだめ」のリカちゃん先生みたいな先生で、課題が出来ていなくても怒ったりはしません。でも、H氏は、立派なヴァイオリニスト(?)になるためにはもっと精進しなくてはと反省しつつレッスンに行くはめになります。H氏は何時になったら立派なヴァイオリニストになれるのでしょうね。春休みになったら一所懸命練習するぞと心に誓うH氏でした。早く、バッハのパルティータとかが弾けるようになりたいよ~。ワンワン。(H氏は犬ではありませんし、また戌年でもありません。また犬に似ている訳でもありません。)